こんにちは!新卒入社3年目、balconia companyの吉村優花です。
普段はWebディレクターとして、Webサイトの制作や運用の進行管理を行っています。
本職はWebディレクターですが、イラストを描くのも好きなので、今回のメインビジュアルは自作してみました!
さて先日、AMBLの地域貢献の一環で、品川区の中学生にマーケティングの講義とグループワーク(演習)を行いました。この記事では、講義を作り上げてから当日のワークを行うまでの体験談をご紹介します。
■目次
・中学生にマーケティング講義をすることになった経緯
・講義の組み立て方(なぜチラシ作りにしたのか?)
・講義の内容
・中学生が制作したチラシと講評
・感想や今後の業務に役立ちそうだと思ったこと
・学生さんたちの感想
■中学生にマーケティング講義をすることになった経緯
私が今回講義を行った「品川区立日野学園」は、東京都品川区東五反田にある公立の義務教育学校で、小中一貫教育を行う全国初の施設一体型の公立学校です。
私が日野学園で講義を受け持ったのは、balconiaが参加している五反田バレーが企画した「ドリームジョブツアー in 五反田バレー(以下、ドリームジョブツアー)」が発端です。
五反田バレーは、多くのスタートアップやベンチャー企業が集まる五反田エリアで、より豊かな未来を目指すために、地域と企業の共創を推進する一般社団法人です。
ドリームジョブツアーとは、五反田バレーに参画する企業が、日野学園の中学2年生の生徒に向けて、各社の事業を紹介する取り組みです。2021年は20社が参加しました。
ドリームジョブツアーでは、AMBLのbalconia カンパニーが手がけるマーケティング支援事業を中学生に説明するために、「そもそもマーケティングとは何か?」という話を、私の上司(Interactive本部の本部長)が行いました。
その時の話が面白かったようで、さらに深くマーケティングについて学ぶ講義を日野学園から依頼され、今回中学生向けにマーケティングの講義を開催することになりました。
講義は朝9時半頃から夕方16時過ぎまで、一日かけて行いました!
■講義の組み立て方(なぜチラシ作りにしたのか?)
マーケティングをテーマに、前述の部長はもちろん、先輩後輩、デザイナーたちも巻き込んで、とにかくたくさんアイディアを出しました。特に当時新卒1年目のメンバーが凄く頑張ってくれて、全部で20個以上のアイディアが集まりました!
その中から、マーケティングに初めて触れる学生さんでも取り組めそうな難易度とワクワクしそうなものを選んで、ブラッシュアップしていきました。
業務経験のない中学生でも理解が深まるように概念や事例を講義形式で教えることに加えて、グループワークで実際に手を動かしてモノを作る体験型の授業にすることに重きを置きました。加えて、記憶に残るように 全員が参加できるように「アウトプットが作れる内容かどうか」ということも考慮しました。
企画の整理やプレゼンがメインになると、自分の意見を出すのが得意な学生さんに活躍が偏ってしまいそうだったので、そういったことが苦手な学生さんにもきちんと役割を持って参加して欲しいと考えました。
集まったアイディアの中から、「五反田に新しくできたお店の集客を目指す」、「チラシを作成する」という案を組み合わせて、「五反田にオープンしたチーズケーキ専門店のチラシを作る!」というワークに決めました。
チーズケーキ専門店なのは、単に私の好きな食べ物だからです!
細かい設定を作りこみやすいので、私自身も楽しめる題材を意識しました。
■講義の内容
まずは「マーケティングとは何か?」という基礎的な講義を行いました。
マーケティングとは、「商品やサービスと消費者との接点を作る活動」ということを少しでも実感を持って理解して欲しかったので、身近な内容になるよう意識しました。
消費者との接点がどのように考えて作られているのかを理解してもらうために、2種類のペットボトルのカフェオレのパッケージの事例を紹介しました。中身は同じカフェオレですが、同じような商品でもパッケージデザインによって男性向け・女性向けのデザインでそれぞれ異なるターゲットにアプローチしていることを見比べて実感してもらいました。
さらに、お菓子のパッケージなど身近な商品の例をマーケティングを交えた視点で見てもらうと、「パッケージデザイン」というマーケティング活動が、中学生の自分たちの消費行動にもいつの間にか影響していたことを実感してもらえたようです。
マーケティングの大枠を知ってもらったところで、実際に手を動かしてもらうチラシ作りのグループワークに移りました。
グループワークの課題はこんな感じです。
伊藤さんは最近独立したばかりの駆け出しのパティシエさんです。
五反田にチーズケーキ専門店「Ville de Fromage(ヴィレ・ド・フロマージュ)」を出店することになりました。
広告として、知人のお店(五反田のレストラン)にチラシを置かせてもらえることになりましたが、どんなチラシを作ればお客さんに来店してもらえるのか悩んでいます。
マーケティングの視点を取り入れて、伊藤さんにチラシの案を提案してください!
これ以外にも、伊藤さんの考えるぼんやりしたターゲット像や、看板メニューの情報など、細かい設定を伝えました。学生さんたちにできるだけリアルな体験をしてもらうために、メニューの情報は色々なチーズケーキ専門店の情報を集めて、私の考える最強のチーズケーキ案を用意して、講義に臨みました。
課題の設定を説明し、以下のような流れでワークを進めてもらいました。
①お店のターゲットを考える
②チラシに載せる情報を整理する
③キャッチコピーを考える
④情報の優先順位を決める
⑤チラシのラフを作る
⑥最後にグループごと発表
学生さんには制作会社の社員になりきってもらい、クライアントの伊藤さんに企画のプレゼンをする設定で発表に臨んでもらいました。
与件整理、ペルソナ策定と制作の初期段階までを学生さんに手を動かしてワークしてもらいました。
「①お店のターゲットを考える」は、課題の設定上、大人を想定する必要があります。
中学生にとっては具体的な大人のターゲットをイメージすることが難しかったと思うのですが、色々な職業の収入をその場で検索したり、先生にインタビューをするグループもあったり、色々な方法でリサーチをしてくれているのが印象的でした!
■中学生が制作したチラシと講評
学生さんが制作したチラシと、講評を一部紹介します!
学生さんたちには制作会社の企画担当者になりきってもらい、ケーキ屋さんのオーナーにターゲット像やチラシのポイントをプレゼンするという設定で、発表をしてもらいました。
▼30代女性デザイナー向けのチラシ案
こちらのチームは、ターゲットを「30代の女性でデザイナー」に決めています。
休日の過ごし方やどんな時にケーキを買いそうか?という想像を膨らませて、キャッチコピーやデザイン案に工夫を凝らしてくれました。
お店の情報をQRコードで表示させたいという構想もあり、チラシを超えた集客の工夫を考えてくれているところも嬉しかったです。
▼健康志向な大人の女性向けのチラシ案
こちらのチームは「健康志向な大人の女性」をターゲットにチラシを作成してくれました。英語や漢字を多めに取り入れて、高級感を演出しようという工夫がみられます。
「チーズケーキの黄金時代」というキャッチコピーはとてもインパクトがありますね!
「黄金」はケーキの色と、高級感や特別感を表現しているのだとか。
キャッチコピーで使う言葉にしっかりと理由付けがある点でも、素敵な提案だと思います!
■学生さんたちの感想
最後に、今回受講した日野学園の学生さんたちから心温まるお手紙をいただいたので、一部ご紹介いたします。
■中学生にマーケティング講師をした感想
いきなり中学生にマーケティングの話(なんか難しそう…)を聞いてもらうわけですから、どんな話し方をすれば講義やワークに興味を持ってもらえるのか?どうすれば飽きさせないか?という工夫を考えるのが難しく、楽しいポイントでもありました。
自分から相手に興味を持ってもらえるように働きかける、という考え方は業務での提案やプレゼンの際に役立ちそうです。特に「相手を楽しませる」という観点は、すごく重要かもしれないなあと気づきました。
笑いを取りに行くとか、そういうことではないんですが、例えば「相手にとって難しい表現を使わない」とか「相手の理解度を確認しながら話を進めていく」というような、相手にストレスなく話を聞いてもらう工夫を意識するきっかけになりました。
また、学生さんにはワークに取り組んでもらう前に、balconia Companyが理念として掲げている”Paly the view”の考え方を共有しました。チームのメンバーの意見を尊重して、そこから見つけた新しい視点でアイディアを広げようという考え方です。
私の中で今回の講義は、さまざまな視点でワークを進めるために「自分の意見を持ってもらうこと」「相手の意見を尊重してもらうこと」をサブテーマにしていました。
自分の意見を持つことと、相手の意見を尊重することは、チームで活動するうえですごく大事な考え方だなと実感できましたし、自分の仕事の中でも意識したいです。
講師をすることで、私自身とても学びがあったので、今後もこのような機会があれば、後輩のみんなに経験してもらいたいなと思います!
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田中泉さん、中島隆也さん、Kasumiさん、谷口加奈さん、森本杏菜さん
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