この記事は、現在フリーランスで転職を考えている方、現在会社員でフリーランスになろうかな?と思っている方のご参考になるかもしれないし、ならないかもしれないですが、こういう人もいますよ〜!という実体験に基づいたケースのご紹介です。
ハニー:今日は、「フリーランスと会社員、エンジニアとしてはどっちが楽か?」というテーマで、エム・フィールドグループでWEBサイト制作やマーケティングに強いbalconia株式会社の取締役の加藤 大典(かとう だいすけ)さんにお話を伺います。
さっそくですが、大典さんの好きな色と、入社までの経歴、入社したきっかけを簡単に教えてください。
加藤:はい。balconiaの加藤です。好きな色は、シアンです。エム・フィールドに入社する前は、新卒未経験でソフトウェア開発会社に入社して、主に保険会社や銀行などの金融企業向けのシステム開発を行うエンジニアになりました。銀行向けのシステムを担当している時に知り合ったフリーランスのエンジニアの人と仲良くなり、その当時は「フリーランスの方が稼げるから!」という単純な理由でフリーランスに転向し、26歳から29歳までん4年間、フリーランスのエンジニアとして活動していました。自分がそうだったので、よくわかるのですが、若手の時って「自分はここまでやってるのに給与に反映されない!」という不満を持ちがちですよね。そんな気持ちがきっかけです。
フリーランスの時にエム・フィールドの案件に参画したのをきっかけに、エム・フィールドに入社しました。もともと30歳になるか、結婚したら正社員に戻ろうと思っていたところ、案件に携わる中でエム・フィールドから「社員にならないか?」という誘いがあり、ちょうどその頃、結婚したい相手と巡り合ったこともあって、正社員に戻ろう!と、エム・フィールドへの入社を決めました。
■フリーランスから正社員に戻った2つの理由
ハニー:「30歳になるか、結婚を機に正社員」という選択は、やっぱり、正社員=安定のイメージがあったからですか?
加藤:私がフリーランスから正社員になろうと思ったのには、2つの理由があります。
1つは、安定の問題です。フリーランスだと案件を自分で探す必要があります。契約している案件と次の案件の間の空白期間があったり、クライアント側の支払いサイトの長さによってキャッシュフローが不安定になるというマイナス点があります。しかし、顧客に請求する「月額単価」は、正社員だった時の給与より高かったので、空白期間や稼働から支払いまでの間が空いても何とかなっていました。これは運もあったと思います。月額単価が高くても、案件と案件の間が開きすぎてしまったら、キャッシュが足りなくなる可能性は否めません。だからできるだけ案件と案件の間の期間を短くするように結構働いていました。家族が増えた時に、この働き方を続けるのか?という点も気になっていました。
私が正社員になろうと思った2つ目の大きな理由は、自身のキャリアパス的にもプログラマーよりもプロジェクトマネージャー(PM)等の、もう少しクライアントに近い位置で仕事をするポジションになりたいという想いがあったからです。クライアントや社内のプロジェクトの立ち上げから関わるためには、フリーランスよりも正社員という立場の方がより多くの機会があると思い、「30歳になるか結婚を機に正社員」という目途をつけてました。
ハニー:なるほど〜!加藤さんの場合は、安定志向というだけではなくて、自分のその先のキャリアを考えて、正社員になったのですねぇ。加藤さんは2006年入社なので、エム・フィールドグループに入社して長いですね。入社してからはどのような仕事をして、今のポジションに?
加藤:入社してからずっと金融機関のモバイルを利用したソリューション案件にPMとして携わっていました。具体的には、バンキングアプリの開発や、業務用のタブレット向けのアプリ開発、セキュアなモバイル通信環境の構築等、様々な案件を担当しました。
8年間ほど派遣先で受託開発のPMとして過ごした後に、エム・フィールド社内で受託開発チームを作るということになり、当時の社長から事業とチームの立ち上げ責任者として抜擢されました。
私個人としては、派遣先で受託開発を経験してきましたが、エム・フィールドという会社としては、受託開発の実績はなく、メンバーもいないという状況でゼロからの立ち上げでした。メンバーの採用から顧客獲得まで、立ち上げに伴う一通りの業務を経験できました。事業と組織の立ち上げは、大変ではありましたが少しずつメンバーを増やし、実績を増やしていって、ついには受託開発の部門を一つの子会社(現在加藤が所属しているbalconia)として独立できるまで、事業も組織も拡大することができました。
ゼロからの立ち上げはなかなか経験できることではなく、とても学びの多い経験だったので、チャンスを与えてくれた会社には感謝してます。
■フリーランスと正社員、ぶっちゃけどちらが良いですか?
ハニー:加藤さんは、開発会社に新入社員として入社し、その後フリーランスになり、そこからまた正社員に戻って役員になりました。色々な経験をされた今、ぶっちゃけフリーランスと会社員、エンジニアの場合、どちらが楽ですか?
加藤:私の場合は、技術を極めたいという志向ではなかったので、PMとしてのキャリアを考えて正社員になって正解だったと思います。しかし、どちらにもいいこと悪いことがあったので、「人による」というのが私の答えです。本当に向き不向きがあるので、言い切れなくてすみません。
私なりの良し悪しをまとめてみるとこんな感じになります。
会社員とフリーランスの大きな違いは、収入と仕事の内容だと思います。
会社員だと給料は毎月もらえますが、会社からアサインされた業務を担当する必要があるので、自分が目指すキャリアとは違う業務にアサインされても遂行する必要があります
フリーランスだとまずは仕事を探すところから自分で行う必要があります。手間はかかりますが、仕事の内容は自分で選ぶことができるので、自分がやりたい仕事や興味ある案件を担当することができます。ただし、クライアントから仕事がもらえた場合に限りますので、自分自身に技術と信用がないと、思い通りに案件に携わることは難しいです。
また、フリーランスだと社内の上下関係やしがらみがない分、楽だと思われるがちですが、年齢が若い人は、ある程度の上下関係やしがらみがあった方が恩恵を受けることが多いと思います。
私はIT未経験で新卒で入社した会社で、新人研修を受け、案件にアサインされて、ある程度一人称で仕事ができるまで、会社の先輩たちに育てられました。社会人として振る舞いはもちろん、プログラミングの基本から設計書の書き方、テストの観点や品質管理の考え方までたくさんのことを教わってきて今の自分の基礎が築けました。この会社員時代の経験がないとIT業界にすらいないかもしれません(笑)
あと、フリーの場合は、仕事が終わった後に次の仕事を探したり、確定申告が面倒でしたね。自分のキャリアアップに繋がる仕事、おもしろいと思える仕事が丁度良いタイミングで声がかかることはそうはないので、生活のためと割り切って短期のやりたくない仕事もやったことはあります。生活費を稼ぐという点から考えると、フリー=好きな仕事だけできるということでもありません。
さきほど、収入はフリーランスの方が高いと前述しましたが、会社員の給料というのは健康保険料や厚生年金など、会社で負担してくれている金額が結構あるので、ある程度の年収までいくと収入面でも甲乙つけがたくなると思います。
■フリーランスとして大切なことと、今大切にしていること
ハニー:なるほど。加藤さんがおっしゃるように社員の給与は、手取りでもらう金額に加えて保険料や厚生年金の一部を会社が負担してくれていたり福利厚生がありますが、フリーランスだと、それらも全て自分で支払うという前提で高い単価になっているとも言えますよね。
次に、フリーランスとしてやっていく上で大切にしていたことと、会社役員の今、加藤さんが大切にしていることを教えてください。
加藤:フリーランスとしてやっていく上では、自分をどれだけ高く売り込めるかで収入が決まるので、常に周囲に自身の成果やできることをアピールしてました。あと自分の市場価値が収入に直結するという点では経歴書の内容が非常に重要なのでエンジニアとして成長しているように見せるための案件を優先的に選んでいました。
「自分自身の市場価値を上げる」という点では会社員、フリーランスは関係ないと思ってます。会社員だと評価アップに繋がり昇進したり、フリーランスだと収入があがることはもちろん、より自分が得意な仕事や、チャレンジしたい仕事が探しやすくなります。
自分の経験から、自社のメンバーに常に伝えているのは、「自身のキャリアパスを常に考える」ということと、「プロとしての自覚をもって仕事をする」という2つのメッセージです。
この2つのメッセージを伝えた上で、メンバーを業務にアサインする時は、「目的意識を持ってもらう」ことと、「責任感をもって成果を出した人や、自ら手を上げてくれた人ををきちんと認める・賞賛する」ということを大事にしています。
■現在お付き合いがあるフリーランスエンジニアの方の良いところは?
ハニー:当社グループにはフリーランスから正社員に転職される方もちらほらといますし、仕事上で外部のフリーランスの方とお仕事されることも多いと思うのですが、加藤さんから見て、現在お付き合いがあるフリーランスの方のここが良いな!と思うのは、どんなところですか?
加藤:やはり仕事に対してのプロ意識を持っていることですね。自分の担当範囲の仕事はパーフェクトに仕上げるぞ!という責任感の強さを感じます。任せた範囲をきちんと仕上げる方たちばかりなので、もしそいういう方が社員になってくれたら、その方の技術の共有やノウハウの展開を社内向けに積極的にやってほしいと期待しますね。
ハニー:なるほど!プロ意識!僕も大事にしなくては!!ところで、コロナ禍の今、フリーランスで働いている方は、どんな状況なんでしょうか??
加藤:エンジニアは場所は気にせず、PCと通信環境があれば仕事ができるので、現在当社が、一緒に仕事をしているフリーランスの方はコロナの影響は少ないと思います。
コロナ禍で各企業がDXやデジタル化を迫られているので、IT業界全体として、エンジニアのニーズは高まっています。私の場合、以前から知っている方だと仕事をお願いしやすいですが、対面での接触機会が減っているため、今まで仕事をしたことがない方への発注は、しにくくなっていると感じます。きっと、フリーランスのエンジニアの方も、既存の方とのお付き合いを深める方向で仕事を探している方が多いのではないでしょうか?
■どんなフリーランスの方と一緒に働きたい?
ハニー:なるほど。エンジニア=技術力だけではないのですね。人間同士、合う合わないもあるので対面の機会が減ると、新規の方に依頼がしにくい状況なのですね。では、加藤さんはどんなタイプのフリーランスの方と働きたい、もしくは入社を検討して欲しいと思っていますか?
加藤:リーダーシップを発揮してくれるプロ意識の高い方と一緒に働きたいと思ってます。フリーランスでも会社員でも立場の違いは関係なく、プロジェクトの一員として一緒に働きたいです。私は「リーダーシップ」というのはIT技術習得に貪欲な人であり、積極的にチャレンジする提案をしてくれて、周囲に成長意欲を浸透できる人だと思ってます。「プロ意識が高い」というのは、プロとしての責任感をもって全て自分事として案件に携わってくれることです。
今、balconiaではUI開発からアプリケーション開発、クラウドを利用したインフラ構築から監視運用まで全て内製で行うことを推進しています。
それぞれのポジションで募集している状況ですので、フロントエンジニアからバックエンドエンジニア、クラウドエンジニア、SREエンジニアまでご自身が得意としている領域やこれからチャレンジしたい領域も必ずあると思いますので、この記事を読んで、興味をもってくれたフリーランスの人にはどしどし応募してもらいたいです。
ハニー:そうですね!あ、でもフリーランスの方にどんどん応募してほしいなら、もっとフリーランスは大変だって話をした方がよかったのでは笑? そんな正直な加藤さんが役員をやっている会社なので、きっと働きやすいですね。一度フリーランスになったけれど、もう一度正社員になるのもよいかも?と頭をよぎった方は、
ぜひ当社の選考にエントリーください!加藤さん、ありがとうございました!
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