AMBLの日々

サイト運用を成功に導く6つの心得

このコンテンツは、WEBサイトを管理されている方や、WEBサイト運用体制を構築される方向けのコンテンツです。

はじめまして、balconia株式会社の山崎(https://twitter.com/morio_yamazaki)です。私は、大手デジタルエージェンシーにてディレクター、プロデューサーとして、WEBサイト運用に20年間携わってきました。WEBサイトの運用案件は一見地味なルーティン作業のように思われがちです。実際、情報更新、コンテンツ制作、企画立案、ソーシャル運用、サイト解析、SEO対策、システム開発、品質管理、稼働管理などプロジェクトによって業務は多岐にわたり、継続的な更新が必要になる非常にプロフェッショナル性が高い業務です。

当社は、様々なお客様のニーズに合わせて、数名から数十名規模の専任チームを構築し、サイト運用の業務支援を行っています。今回の記事では、長年のWEBサイト運用の知見をもとに、ポイントを絞って「サイト運用を成功に導く6つの心得」について解説していきたいと思います。

■1:体制構築で90%決まる

サイト運用を成功に導く心得その1は、運用メンバーの体制です。プロジェクトの成功、失敗は体制構築で90%決まると言って過言ではありません。

かといって、社内のエース級のメンバーばかりをアサインしても固定費がかさむばかり。コストを優先して新人ばかりを揃えるのも心配です。また、リーダーシップを発揮するメンバーが多すぎてもチームはまとまりませんし、石橋を叩いて渡るメンバーばかりでは、なかなか前には進みません。何よりメンバーの特性やスキル、経験を考慮すること、そしてチームメンバーを適材適所に配置することがとても重要になってきます。

■実際のプロジェクトチームの例

・プロデューサー
(リーダーシップ強、コミュ力高、細かい作業苦手)
・プロジェクトマネージャー
(緻密、広い視野、コミュニケーション下手)
・ディレクター
(プロダクト愛強い、うっかりさん)
・デザイナー
(しっかり者、緊張に弱い)
・コーダー
(寡黙、仕事は確実に完遂する職人)
・エンジニア
(洞察力高、感が鋭い、効率好き、面倒くさがり屋)

このチームは、プロデューサーのリーダシップが強く、緻密なプロジェクトマネージャーが全ての品質を担保しています。運用業務は、プロダクト愛の強いディレクターが業務をリードしますが、うっかりしたミスは、デザイナーとコーダーがフォローします。いざとなると、勘が鋭く洞察力の高いエンジニアが、救世主の如く現れ問題を解決する、そんなバランス感覚に長けたチーム構成です。

実は私がプロジェクトの体制を構築する時には、ここまでのストーリーを想像しながらメンバーを選定し、アサインすることが多いです。時には想定外のこともありますが、ただ頭数を揃えるのではなく、業務の理解はもちろん、メンバーのスキルと長所・短所を理解した上で最適な体制構築をすることが、プロジェクトの成功を担う何よりも大きなファクターだと考えています。

■2:運用は半年で「わかる」。1年で「出来る」。

サイト運用を成功に導く心得その2は、運用を会得する期間を1年と考えることです。業務の引継ぎは、数週間から長くても1ヶ月ぐらいの間に完了するケースが多いと思います。ですが数年、数十年かけてノウハウが蓄積されてきた実務は引き継いで、すぐに全てを把握するのは難しいこと。初めてのことが多く、ノウハウも多岐にわたるので、理解するだけでもかなりの時間がかかるはずです。

サイトの運用も様々な業務を「通年」で経験することで、やっと運用が出来る!ぐらいの時間がかかるものと思ってください。焦らず一歩一歩前に進むことです。

■3:品質はプロセスである

サイト運用を成功に導く心得その3は、適切なプロセスの構築です。運用の品質を担保するのは、業務内容に応じた適切なプロセスが何より大事です。全ての業務がマニュアルなどで「標準化」されていれば話は別ですが、前任者の「属人的」なノウハウが多ければ、まずはそれらを理解した上で、最適なプロセスを再設計する必要があります。品質チェックのプロセスに加えて、業務フロー、業務マニュアル、制作ガイドラインをきちんと整備し、サービス品質の最大化を図ることが最も重要です。

(あってはいけないことですが)運用業務の中でミスというのは、どうしても発生する性質のものです。万が一起きてしまった時は、フローを見直し、正確に原因を探り、二度とと起こさないためのプロセスを再設計することが重要です。ミスには必ず原因があります。その原因を正確に把握し対処しなければなりません。ミスが起きた根本の原因さえ把握できれば、再発を防ぐことが出来るからです。

何かしらミスが起こったら、まずは焦らず次の2つのことを順番に考え、対応すると良いでしょう。

1つ目は暫定対応。
2つ目は恒久対応。

暫定対応とは、ミスが発生したことによる損害をいち早く止め、止血するための対応です。スピード感を持って進めることが何より肝心。遅れるほどに傷口が広がるので、まずは冷静に判断し、的確でスピーディな行動を。

2つ目は原因を正確にさぐり、再発させない仕組みを考え、実行することです。ミスの原因をしっかりと把握すること。そのために大事なのはスピード感ではなく、本質的な原因の理解です。今後二度とミスが起きないよう原因を追求し、万全の対策を練ります。根本さえ把握できれば、業務フローを改善することで、再発を防ぐことが可能になります。

■4:運用メンバーのノウハウは財産

サイト運用を成功に導く心得その4は、運用メンバーのノウハウを新規プロジェクトにも展開することです。プロジェクトを進行していく中で、運用とは別のサイトリニューアルや、新規システム開発案件など新たなプロジェクトが立ち上がるケースがあります。もちろん別チームを構築して進めていく必要がありますが、そんな時はサイト運用状況を理解している現場のメンバーを必ずアサインすることが重要です。サイト運用メンバーには、商品、サービスの知識、年間スケジュール、社内システムの状況など役に立つ情報が膨大に蓄積されています。そのノウハウを新規チームと連携し、プロジェクトを進行するのが、もっとも失敗が少なく効率の良いチーム編成といえるでしょう。

■5:どうすれば出来るかを考える

サイト運用を成功に導く心得その5は、できる方法を広く探ることです。サイト運用をしていると、、いろいろな相談が寄せられます。。相談内容は様々で、運用メンバーにとって得意な業務の相談もあれば、経験不足で不得手な依頼もあるでしょう。社内に知見があったとしても、アサイン出来るリソースが限られてしまうことも…。。。そんな時は、思い切って視野を広げて外部パートナーの力を借りるのも手です。例えばコピーライティングや動画撮影など、その道のプロに仕事を頼んだ方が、プロジェクトによっては成功の近道になることもあります。コストとの見合いは大事ですが、できない理由を探すことは簡単なことです。目的を見失わずあらゆる可能性を探り、出来る方法を考えることが成功への近道です。

6:1年後は、さらなる高みを目指す

サイト運用を成功に導く心得その6は、1年後にさらなる高みを目指すことです。前述の通り、通年で業務を経験するとサイト運用の大枠が理解出来るようになります。ぜひ、そのタイミングで業務の整理整頓にチャレンジしていただきたいです。。本当に必要なものだけ残し、必要性が感じられない業務や売上に直結していない業務は思い切って断捨離の提案をするのも、良いかと思います。1年運用経験が蓄積されれば、チームのメンバーは熟練者といっても問題ないでしょう。サイト運用においては、右に出るものはいないはずです。だからこそ、そのタイミングでフローを見直して、効率化や品質改善など業務そのものの棚卸しをおこなってください。次に目指すべきゴールがきっと見つかるはずです。依頼された内容を確実に実行することも大切ですが、サイト運用の枠を超えた価値の創出にチャレンジしていただきたいです。

■まとめ

今回の記事では、「サイト運用を成功に導く6つの心得」として、6つのポイントをお伝えさせていただきました。

1:体制構築で90%決まる
2:運用は半年で「わかる」。1年で「出来る」。
3:品質はプロセスである
4:運用メンバーのノウハウは財産
5:どうすれば出来るかを考える
6:1年後は、さらなる高みを目指す


以上のように、私が長年のWEBサイト運用の経験を通して学んだことを簡潔にまとめてみました。いかがでしたでしょうか?WEBサイト運用は、業務設計や計画が重要ですが、プロジェクトを成功に導くためには、運用チームの意志や思いが一番と考えています。その一つのかたちとして今回6つの心得を紹介いたしました。

おかげ様でWEBサイト運用の体制構築や体制見直しのご依頼をいただく機会も増えて参りました。WEBサイトの運用業務でお困りの場合は、是非balconiaにお声掛けください。
みなさまの参考になれば幸いです。


Special Thanks:
All illustrations by 長谷川 果奈子 balconia




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■(山崎所属)ブランド戦略立案、クリエイティブ制作、システム開発
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ABOUT ME
山崎盛雄
大手デジタルエージェンシーにて、サイトリニューアル、サイト運用、UI/UX設計、PDCA改善、アプリケーション開発など各種デジタルマーケティング業務に携わる。Digital BPO、BPR導入支援や大規模サイト運用、体制構築における、プロデュース業務、プロジェクトマネージメント業務の実績多数。