「COLORS」編集長のハニーです。
今日は、エム・フィールドの色々な人・仕事・考え方を発信するオウンドメディア「COLORS」の立ち上げから、運営までの半年間に、どんなことをしたのか?
どんな課題があったのか? 当社で実際に議論された事例を共有したいと思います。
■オウンドメディアを立ち上げた目的・きっかけ
オウンドメディアの立ち上げる話が出たのは、2020年12月末。
2021年から自社開発の製品のリリースが始まるので、せめてプレスリリースを出して、世間の皆様に少しでも当社の製品やサービスを知ってもらいたい!と、当時グループ内限定のブログ(社内報)を運営していた私ハニーは考え、知り合い伝手に、プレスリリースとはどのように出すものなのか?、どのサービスを使えばよいのか?など相談しました。
そして、プレスリリース配信サービスの候補を3つに絞り込み、「2021年1月〜6月の半年間の間に、このような内容で、このくらいのボリュームのプレスリリースを出して、
このくらいの広告換算価値を出すので、〇〇万円の予算をください!」と役員会に起案し、承認されました。
会社の中のニュースを現場にヒアリングしたり、Webで他社の事例を検索したりしていくと、プレスリリースでは紹介しきれない開発の裏側のストーリーを伝えるために、
プレスリリースを出すだけではなく、同時にオウンドメディアを立ち上げて、プレスリリースに書ききれない情報をだしていく必要がありそうだ!ということに気づきました。
そこで経営陣に「オウンドメディアを立ち上げたいでーす!」と、あえて能天気にチャットで打診したところ、私がチャットした前日に、ちょうど経営陣で採用と顧客獲得のためにオウンドメディアを立ち上げようと会議をしていたそうで、飛んで火に入る夏の虫!
「やる気があるなら任せるわ〜!」と社長からの返答があり、私主導でオウンドメディア立ち上げプロジェクトが始まりました。
そうです。私はまだこの時、「オウンドメディアは社内ブログの延長でしょ〜!」と軽い気持ちで考えていたのですが、これが間違いでした。。。。
■オウンドメディア立ち上げまでの実務
オウンドメディアの立ち上げまでの実務を、超ざっくりまとめると以下のようになります。
- 目的を決める
- ドメインとどんなシステムを使うかを決める
- サイトのタイトル決める
- サイトデザインを決める
- 運営のルールを決める
1. 目的を決める
こちらは、社内で決裁を取る際に実際に使った資料の一部です。
この時はまだ能天気に「4つのアップ!」などと風呂敷を広げています笑。
目的の整理にとても役立ったのは、オウンドメディアを採用や売上拡大に活用して結果をだしまくっている株式会社ベイジさんのこちらの記事です。
初めてオウンドメディアを立ち上げる私にとって、この記事は天からの恵み!
教科書!虎の巻的内容なのにオープンになっている驚き!そして学びの塊でした。
さすがベイジさん!さすが枌谷さん!
枌谷さんって馴れ馴れしい呼び方して知り合いかよ!と思った方、そうですよね。この時は面識もなく、私ごとき駆け出しのオウンドメディア担当者がおこがましいのですが、
勝手に師匠だと思っていました。
その後、ラブコールが通じて先日個別に取材をさせていただいたので、その記事は後日公開します!
こちらの記事も、ええ〜!無料でこんなに丁寧に答えてくれていいんですか?
オウンドメディア初心者は、この記事書籍になってたら絶対購入します!という内容です。ベイジさんってなんでこんなに太っ腹なんでしょうか?(この疑問は枌谷さんを取材した時に、あっさりと解決しました。)
2. ドメインとどんなシステムを使うかを決める
幸い、当社にはほぼ神の領域に達している広い心と、何でもできる情報システム担当者がいるので、これまたチャットで「オウンドメディアを立ち上げたいの。どうしたらいい?」と無邪気に質問をしたところ、「m-field.co.jpの本サイトと繋げて?どんなURLにしますか?オウンドメディアのシステムはどうしますか?」という的確な答えが瞬時に返信されてきて、やっぱりうちの情報システムは神だと思いながら、「オウンドメディアのタイトルはこれから決める!予算がないからWordPressで、友達のデザイナーにTOPのデザインを格安でお願いして作ろうと思う!」と返信したところ、「じゃあ、タイトルが決まったらURL指定してくださいね!」と速攻神的慈愛に満ちた回答をもらって、はい終了!全世界のビジネスパーソンはわかっていると思うけれど、社内で一番仲良くなっておくべきなのは、社内の情報システムやシステム開発に携わる方々とデザイナー!
結局手を動かせる人、技術がある人がいざという時に一番頼りになりますよね〜。
話がそれましたが、URLを決めるためにもオウンドメディアのタイトルを決めなくてはなりません!
3. サイトのタイトルを決める
オウンドメディア立ち上げの担当者になった時に、間違いなく最初の壁になるのが、メディアのネーミング!!社長や役員に強い思い入れがあって、「このタイトルでいくのだ!」とリードしてくれる場合は良いのですが、当社はそうではなかったので、採用に関連するメディアになるので、人事と相談し、いくつかの候補を出してから、その他のアイディアも募集する形で、全社アンケートを取りました。
アンケートの結果、圧倒的に指示されたのが「COLORS」というタイトルでした。
もともと、当社はさまざまなお客様に対して、さまざまな技術を提供していることもあって、所属するメンバーの個性も色とりどりなので、私としては納得の結果でした。
COLORS以外のタイトルを支持した回答は以下のような理由がありました。
そして、COLORSというタイトルを支持した理由は、以下のような回答がありました。
ちなみに、当初は、「Colors」と大文字と小文字の組み合わせでしたが、ロゴをデザインしてみると大文字で統一した方が見やすくインパクトがあったので大文字にしました。
さらに、当初はエム・フィールドの略の「MF」と大文字で記載していましたが、ちょうど並行してエム・フィールドのコーポレートサイトのリニューアルプロジェクトが進んでおり、会社のブランディングを考えていく中で、MFより、m/f という表記がこれからの私たちにはしっくりくるね!ということになり、ある役員の発案で、現在の正式名称の「COLORS by m/f」というタイトルになりました。
タイトルの変遷としては、
MF Colors → MF COLORS → m/f COLORS → COLORS by m/f
オウンドメディアを立ち上げる前から、社内のメンバーにアンケートをとったのは、結果としてとても参考になりました。オウンドメディアにどんな期待をしてくれているのか?会社のことをどう思っているのか?それぞれのメンバーが考える
「当社っぽさ」や温度感を感じることができて、その後のイメージ作りに大変役立ちました。
4. サイトのデザインを決める
正直、サイトのデザインは楽勝だと思っていたのですが、思わぬ落とし穴で、あやうく公開日に間に合わないかも?!と一番ドキドキしました。
こちらが現在のTOPページのデザインです。それぞれの記事の色を目立たせるために、背景は極力シンプルに、モノトーンにしました。ロゴの中のカラフルな四角はSDGsの17の色味を使っています。これから当社およびCOLORSが持続可能な開発・発展に寄与していきたいと考えたからです。正直これでバッチリとはまだ思っていないので、これから少しずつバージョンアップしていきたいと思っています。
こちらが一番最初のデザイン案AとBです。
当初は、COLORSというタイトルから、虹をイメージしてデザインを進めていました。
1月、2月は社内のデザイナーの稼働がパンパンで依頼できなかったので、社外の私の友人に依頼したのですが、むむむ。友人だから分かってくれるだろうという甘い気持ちが足を引っ張って、逆に出し戻しが何度も続いてしまい、申し訳ないくらい時間をとってしまいました。
コンセプトを話し合ったうえに書面にしてデザイナーに依頼したものの、思った通りのデザインではなかった!とか、どこが悪いとはいえないけれど何かイメージと違う…。修正してほしい点がうまく伝わらない!という経験をした方は多いのではないでしょうか?
そういう時の対処法について、今度社内のデザイナーに記事を書いてもらいますね。
今回、当社の場合は、TOPページのデザインとロゴの出し戻しに2週間ちょっとで計画していたのですが、結果1ヶ月半もかかってしまいました。何パターンも作ってきたカラフルなデザインを全部捨てて、最終的に超シンプルにすることで、記事のカラーを目立たせるという案に決めました。
5. 運営のルールを決める
運営のルールを決める時に参考にしたのは、こちらの図です。
先述した、ベイジさんの『オウンドメディアに関する27の質問に2万字で回答します』
の「Q25成功しているオウンドメディアをおしえてください。」の冒頭に出てくる、オウンドメディアの2種類の運営方法別の特徴です。
当社は、これまでの企業文化から投稿のタイミングや記事のクオリティを社員に任せる「コミュニティ型」での運営は難しいと分かっていたので、私が編集部となって進める「中央集権型」で進めることにしました。
編集部が中心になって進めれば計画的に記事ができるだろう!と思っている方、
記事を外部に委託するならまだしも、当社のように予算がないなか、忙しい社内メンバーに記事を書いてもらおうとすると、正直なかなかうまくいきません。そこで、私が考えた作戦は、ある一定の役職以上のメンバーには年に最低1回は必ず寄稿してもらおうという作戦です。実は開始前に調べたところある一定の役職以上のメンバー数がちょうど50名だったのです!1年に一度ならみんな忙しくても協力してもらえるだろう!と、あらかじめ1年のうちのいつ誰が寄稿するかを一覧にして、執行役員が集まる会議でこの作戦を承認してもらい、寄稿スケジュールをオープンにして進めています。
寄稿予定者にはあらかじめスケジュールを伝えているので、早めに連絡をくれる方もいれば、何度催促しても遅々として進まない方もいて、それぞれのメンバーの性格が分かって、コミュニケーションを取るのは面白いです。
記事のクオリティを管理するのと、手戻りで寄稿者の余分な稼働が増えないように、あらかじめ記事の大枠を作ってもらい、その時点で私が質問や追加して欲しい情報を入れてから記事の制作に取り掛かってもらいます。記事の制作手順などについては、いずれ公開したいと思います。
当社ならでは?の壁もありました。
それは寄稿者は実名かペンネームを使うか?!
という点です。多くのマーケティング企業やPRに積極的な企業では、実名で記事を公開することが当たり前になっているかもしれませんが、当社は創業依頼20年間PRをしたこともない企業なので、実名でのオウンドメディアに寄稿することに否定的な声がありました。そこで、先述した年に一度は寄稿しなくてはならない役職者たちにアンケートをとったところ、以下の通りになりました。
結果は想像以上に実名でOK!という回答でしたが、一部でも実名を出したくないというメンバーがいる以上、「実名でもペンネームでもOK!」というルールにしました。
他にも細かいルールはたくさん作りましたが、運営のルールについては、まだまだ改善が必要で、
オウンドメディアの真髄は運営にあり!と、
今は運営の面白さと難しさを日々噛み締めながら、一喜一憂している状況です。
当社には、「Techblog」というエンジニアとAIに関わるメンバーが投稿しているブログがあります。こちらはコミュニティ型で運営しているため、1本も記事が公開されない月もあれば、何本も立て続けに公開される時もある状況です。
せっかく良い記事があるのに、計画的に運用されていないことから、オウンドメディアを立ち上げる際に、いずれTechblogとマージしようという計画を立てました。
マージが完了したら、ブログメディアをマージする際の注意点などもまとめていきたいと思います。
今回は、オウンドメディアを立ち上げよう!決まったところから、立ち上げまでに私が体験したことを大まかにご紹介しました。超初心者の苦労話なのでどれだけの方のお役に立てるかは分かりませんが、これからオウンドメディアを立ち上げる方、これから担当者になる方の参考になれば幸いです。
立ち上げてからの苦労や、記事の途中で記載したベイジの枌谷さんへのインタビューは、近日中に公開しますので、どうぞお楽しみに!