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超初心者向け:AI小説家 葦沢かもめ氏直伝!簡単ステップでできる!Chat GPTを使った小説の書き方ガイド

こんにちは。COLORS編集を担当しているハニーです。突然ですが、昨今、大変盛り上がっているChat GPTで小説を作ってみたい!と思い立ちました。AIに小説を書いてもらう「AIのべりすと」は触れたことがある程度で、Chat GPTは初体験です。
そこで、星新一賞などの受賞歴をお持ちのAI小説家の葦沢かもめ氏にChat GPTで小説を書く方法を直々に教えてもらいました!

まず最初にChat GPTとOpen AIについてのおさらい


Chat GPTとは、アメリカのAIを研究する非営利団体であるOpen AIが、2022年11月に発表した「対話型言語モデル」です。
2015年に設立されたOpen AIの設立時には、イーロン・マスクが関わり現在も投資を継続しています。23年1月には、マイクロソフトが複数年に渡って数十億ドル(数千億円)規模の継続投資を表明しました。
Open IAはこれまで、自然言語処理と画像生成モデルを組み合わせ、文章からイラストや写真を作り出せる「DALLーE」や、ChatGPTにも使われている非常に高度な自然言語処理モデルの「GPT-3」を発表してきました。
昨年発表された「Chat GPTとは?」という質問をChatGPTにしてみたところ、以下のような回答をもらいました。

ちなみに、ブラウザのbingにもGPT系モデルが組み込まれており、AzureなどのMicrosoft製品にも導入が予定されています。


葦沢かもめさんって、どんな人?

葦沢かもめ
AIを執筆に取り入れた小説『あなたはそこにいますか?』で、第9回日経「星新一賞」優秀賞(図書カード賞)。AI共作小説が『SFアンソロジー 新月/朧木果樹園の軌跡』掲載。第1回かぐやSF最終候補、第2回かぐやSF選外佳作。
葦沢かもめnote: https://note.com/ashizawakamome/
日経「星新一賞」第九回受賞作品集:https://honto.jp/ebook/pd_31541669.html

ーーかもめさんはいつ頃からAIで小説を書き始めたのですか?AIを使い始めたきっかけは?
(かもめ)大学生の頃から小説投稿サイトで創作活動を行っていました。AIを使い始めたのは、就職時にIT業界に入るにあたり、AIに興味をもち、趣味の小説執筆にAIを活用できるのではないかと思いついたからです。当時はGPT-2も出ていない頃で、マルコフ連鎖やLSTMを使って自分で研究していました。

ーかもめさんは、お仕事でもAIを使ってるんでしょうか?
(かもめ)プログラムのコーディングにも活用できるので、これから取り入れられる部分では取り入れていきたいです。

ーーAIを使って創作活動をするために必要な心構えを教えてください。
(かもめ)まず、AIを創作活動に取り入れるためには、守るべきマナーがいくつかあります。そのうち、ビジネスにも関わりそうな内容をいくつかピックアップしてみます。

一つ目は、「セキュリティ上の問題がある情報は入力しない」ということです。
2023年3月17日現在、OpenAIの規約には、「APIに入力されたデータは学習データとして用いないが、ChatGPTに入力した内容は学習データとして利用される可能性がある」という内容が明記されています。今後、OpenAIやMicrosoftから企業向けに展開されるサービスは、セキュリティが守られたものになるでしょう。しかしChatGPTやGPT-4のAPIを利用したサードパーティ製サービスは、OpenAIは情報を保管しないものの、中間の企業がデータを利用している可能性があるので、必ず規約を確認して利用するようにしましょう。

二つ目は、「AIを使って大量に生成した文章で迷惑をかけない」ことです。
「ブログ記事をChatGPTで大量に生成できる」ような活動は、ビジネスとは呼べないと私は思います。ビジネスは「三方よし」、すなわち「売り手よし、買い手よし、世間よし」であるべきです。

三つ目は、「AIツールを使うことが許されている場面で使用する」ことです。
Microsoftオフィスにも搭載されることが正式に発表されたので、今後利用する機会は爆発的に増えていくことが予想されます。しかし一部には「AIツールを使って書いてはいけない」というルールが課せられている場合があります。その場合には、それに従いましょう。

こうしたマナーを守った上で、AIを使った創作活動に必要なのは、「ビジョン」だと思っています。ビジョンとは、作品全体に一貫しているテーマです。AIを使った創作というものは、予想不可能な要素を絶対的に含むものなので、ビジョンが欠けていると「自分らしさ」が作品から失われやすいです。ビジョンを明確に言語化することで、迷いを消すことができるでしょう。

私は、映画『未来世紀ブラジル』『12モンキーズ』などの監督であるテリー・ギリアムが好きなのですが、ギリアムがビジョンについて語った次の言葉が、とても印象的です。
「ビジョンを思い描く必要はない。必要なのは自分のビジョンが何であるかを知ることだ」
他者に説明できるようにビジョンを言語化することの大切さは、AIを用いた創作にも共通することだと思います。

ーーかもめさんが大事にしている「SFプロトタイピング」という考え方について教えてください。
(かもめ)SFプロトタイピングとは、SF的な発想力で未来の試作品となる世界を「創造」し、ビジネスに活用するという取り組みです。SF作家にSF小説を執筆してもらい、それをベースに未来を考えるという取り組みが、企業や官庁で進んできています。
「狭い会議室での議論では画期的なアイディアがでてこない」という企業の担当者の方の危機感が、SFプロトタイピングという形で現れてきているのではないでしょうか。
しかも現在は画像生成AIや大規模言語モデルの急速な発展によって、未来のビジネスはますます不透明になってきています。手元にある材料だけをみてボトムアップ的に未来を予測しているだけでは、「競合がいない分野でサービスを企画したものの、開発期間を経てリリースしようとしてみたらレッドオーシャンになっていた」というケースが増えていくでしょう。
そうした課題に対して、SFプロトタイピングは有効な解決策だと思います。

ーーChat GPTを使って小説を書く方法「あしざわ法典」を上梓したきっかけは?

AIを使った小説執筆に長く取り組んできた葦沢かもめ氏が、話題の文章生成AI「ChatGPT」を使って小説を執筆するノウハウをまとめた技法書。
「あしざわ法典ーーChat GPTを使って小説を書く方法ーー」https://booth.pm/ja/items/4522451

(かもめ)ChatGPTは昨年11月末に公開されていたのですが、私は他のことで時間が取れず、十分に触れていませんでした。今年の1月中旬くらいになって、小説執筆に活用してみようと実験していたところ、安定して高品質な作品を作れるプロンプトを発見しました。さすがにChatGPTの発表から一ヶ月以上経っていたので誰かがネットで公開しているだろうと思いましたが、誰も思いついていなかったので非常に驚きました。

しかし、これを容易に公開してしまうと、悪意のある人が小説を大量に投稿サイトに投稿してしまう可能性が考えられました。また多くの人がコピペで真似をしてしまうと、変わり映えのしないものが世の中に溢れてしまう危険性もありました。このような弊害は画像生成AIの界隈でちょうど見ていたところだったので、文章生成AIでそうした混乱を起こさないようにしたいと考えました。

そこで、これまで明文化する人がいなかった、AIを使って創作するために守るべきマナーと合わせて、多くの方が注目するであろう有用なプロンプトを発表することで、マナーの普及を目指したのが「あしざわ法典」です。また画一化を防ぐために、基本的なプロンプトを提示するように努めつつ、様々なアレンジ方法の例も載せています。

幸いなことに多くの方の目に留めて頂いたので、ある程度マナーを広めることができたのかなと思っています。

Chat GPTに小説を書いてもらうためのステップ

ーーChat GPTを使って小説を生成する際に、かもめさんが使っているステップ(テンプレート)があるとお聞きしました。

(かもめ)はい、あります。私は、Chat GPTを相棒のような感覚で使っています。「あしざわ法典」では、以下の8つのステップを基本的なテンプレートとして紹介しましたが、あくまでも私が便宜的に作ったフレームワークなので、これが正解ということではありません。「あしざわ法典」で紹介しているアレンジ例を好みに合わせて取り入れたりしながら、自分なりのスタイルを作っていくのがいいと思います。もちろん、自分が苦手なステップだけをChatGPTに任せるといった使い方も可能です。

1:小説のアイディア候補の生成
2:主人公の名前とプロフィールの生成
3:​​必要な役割の生成
4:各キャラクターの生成
5:三幕構成の要点
6:プロットの生成
7:本文の生成
8:タイトル候補の生成

さいごに

ーー最後に、かもめさんが考えるAIと創作について教えてください。
(かもめ)GPT-4も発表されましたし、これからあらゆる創作活動にAIが活用されていくと思います。これまでは企業や組織が行っていたゲーム制作や映像制作も、個人がやりやすくなっていくでしょう。
創作におけるAIの登場は、19世紀の写真の登場に似ているなと思っているのですが、発展速度は、インターネットが普及した現代におけるAIの方が圧倒的に速いんですよね。実は、写真が現代のような芸術分野として確立するまでには60年ほどかかっています。しかし現代のAIを用いた創作と他の芸術との境界線がなめらかになっていくのに、それほど時間はかからなそうだなと感じています。
目まぐるしく変わっていく社会を見つめながら、AIとの創作を楽しんでいきたいです。

かもめさん、ありがとうございました。こんなに簡単に小説が作れるようになったからこそ、それぞれの人間の個性やその時々の雰囲気や流れに応じた作品が生み出されるようになるんでしょうね。最後に、この記事のタイトルもChat GPTに相談して作ったことは内緒です笑。


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COLORS編集長の宮坂ハニー(トイプードル2歳)です。 趣味は日向ぼっこ、好きな食べ物はプリン。 現在、海と山の二拠点生活を実現できないか模索中。