本記事では、現役データアナリストとしてAIプロダクト開発やデータ分析を担当している傍示とエイドリアンの2人が特に注目している10のAIプロダクトをご紹介します。それぞれのプロダクトを使用した感想やアウトプットも合わせてご紹介します。
興味のあるプロダクトがありましたら、ぜひご自分の手で使ってみてください。
筆者紹介
・傍示健太(ほうじ けんた)
データ分析、AI構築支援、AI教育事業を手がけるAMBL株式会社の新卒2年目の傍示健太です。好きな色は黄色です。現在は画像系AIを使ったプロダクトのシステム構築とSQLを使った大手通信会社のデータ抽出の仕事を行っています。
・エイドリアン・タム(KaYeungAdrian Tam)
データ分析、AI構築支援、AI教育事業を手がけるAMBL株式会社のエイドリアンです。
ニュージーランド出身で、日本4年目です。現在はAI教材事業に携わっております。
気になる技術やサービスがあれば手を出してしまう癖の持ち主です。
東京大学発ベンチャーが開発した文章要約AI “ELYZA DIGEST”
「ELYZA DIGEST」は、東京大学松尾研発・AIスタートアップである株式会社ELYZAが開発した入力したテキストデータを3行に要約するAIです。このサービスはNLP(自然言語処理)の技術を活用して開発されており、ニュース記事や議事録、小説、メールなど様々なテキストデータに対して利用することができます。特に大量の文章を日常的に取り扱うオフィスワーカーの生産性向上に大きく寄与しそうです。
実際に使ってみた感想と結果を紹介します!
当ブログの「カンブリア宮殿 番組内の企画『アイデアの扉』にAMBL代表の毛利が出演しました」を要約したところ、下記の要約結果をの通り、記事の中で伝えたい部分がきちんと要約されており、文章の意味もきちんと伝わる内容になっていると思います。このサービスは無料で試せるので気になった方はぜひ利用してみてください!
▼要約結果
AMBL代表取締役社長CEOの毛利氏が、AI事業を始めたきっかけを語った。AI事業を始めたきっかけや、AI人材人材育成に取り組む想いを明かした。今後は自社で効果のあったAI人材育成のノウハウを社外にも積極的に展開する。
日本語史上最大データを用いて作成された小説生成AI “AI のべりすと”
「AIのべりすと」はゲームクリエイターのSta氏が開発し、Google TRCとCoreWeaveと協力のもと作成された小説自動生成AIツールです。このサービスもELYZA DIGESTと同じようにNLP(自然言語処理)の技術を活用して開発されています。AIのべりすとの最大の特徴は、日本語のNLPモデルの中で最大級のパラメータ(200億パラメータ)とコーパス(1.5テラバイト)により訓練されたAIであり、非常に精度の高い文章が生成できることにあります。
実際に使ってみた感想と結果を紹介します。
「月が綺麗ですね」という語句だけを自分で書いてその後はすべてAIに物語を作ってもらった結果が下記になります。個人的には中々クオリティの高い恋愛小説ができたのではないかと思います。
普通であれば「月が綺麗ですね」という単語があった場合に、天気の話であると理解しそうな気もしますが、きちんと”I love you.”というニュアンスをAI自身が読み取り、それをもとに意味のある文章を生成している部分が凄いと感じました。こちらのサービスも無料で試せますので、特に小説の創作に興味のある方はぜひ利用してみて下さい。
クリエイティブな作業をサポートするAIツール集 “cre8tive AI”
「cre8tive AI」はRADIUS5が開発したクリエイティブ作業を効率化する様々なAIツールを提供するプラットフォームです。このサービス群は主に画像系のディープラーニングや生成モデル(GAN)の技術を用いて作成されています。
主なサービスとして写真やイラストなどの画像を高画質化する「Photo Refiner」や、キャラクターイラストを生成する「彩ちゃん」、1枚の画像から4種類のアニメ風の背景を生成する「Anime Art Painter」など、記事執筆時点(2022年8月)で11種類のサービスを提供しています。
これらのサービスを利用することで、キャラクターデザインや背景画像の作成など今までは専門家が何時間もかけて行っていた作業を、素人でも10秒足らずで行えるようになります!
現在、アニメ業界では人手不足が叫ばれていますが、こうしたAIの進化によってそれも将来的には解決できるかもしれません。
オリジナル曲をAIで無限生成できる楽曲作成サービス “FIMMIGRM™”
「FIMMIGRM™(フィミグラム)」は株式会社TMIKが開発したオリジナルの音楽をAIによって無限に生成する楽曲作成サービスです。このサービスは、過去のヒットソングの特徴を大量に学習し、抽出された特徴にランダムなベクトルを加えることで、全く新しいさまざまなパターンのメロディやコード進行を無限に生成することが可能になっています。
FIMMIGRM™を利用することで、作曲知識のない人でも気軽にオリジナル楽曲を作成できるようになります。自分が作曲した楽曲をベースに、AIがリアルタイムで楽曲を生成してくれるサービスもあり、自分の楽曲をAIを利用してブラッシュアップしたり、アレンジを加える使い方もできるため、第一線のクリエイターの方にも役に立つサービスではないかと思います。
アカウントを作成すれば誰でも無料で3曲分のデータをダウンロードすることができるので、興味のある方はぜひ自分だけのオリジナルの楽曲を作ってみてください!
FIMMIGRMが作曲し、第一線で活躍するクリエイターがアレンジしたオリジナル楽曲
マルチカメラで来店者の回遊を分析できるサービス “Shiftracer”
https://www.aifield.jp/service/products/shiftracer/
「Shiftracer」は、当社が開発した、特定の人物の行動をトラッキングできるAI画像分析プロダクトです。商業施設や工場などで、施設内に設置した複数のカメラから、同一人物を特定し追跡することによって、入館されたお客様の回遊状況や行動を分析するサービスです。このサービスではPerson Re-Identificationという複数カメラから同一人物を特定し、カメラ間で同じIDを振ることで人物の追跡を行う技術を用いて作成されています。
商業施設の監視カメラなどにこのサービスを組み込むことで、来館されたお客様の動線を施設内の階を跨いでトラッキングすることが可能になります。動線分析の結果はブラウザ上で確認することができるようになっており、商業施設内のイベントの効果検証やテナント誘致、お客様が購買に至るまでの経路の分析等に活用可能です。
サービスの公式のリリースは2022年9月の予定です!
あなたのフレディ度を測定します!“FreddieMeter”
https://freddiemeter.withyoutube.com/
YoutubeとGoogle Creative Labが英ロックバンド「クイーン」のブライアン・メイとロジャー・テイラーと協力し、AI技術を活かしたアプリ、FreddieMeterを2019年に公開しました。
このアプリは利用者にQueen代表曲4曲の中から1曲を歌ってもらうことで、Queenの初代ボーカリスト、故フレディ・マーキュリーの歌声とどのくらい似ているかを、0から100までで評価してくれます。評価する軸はピッチ、メロディーとティンバー(音色)の3つです。
FeddieMeterが利用している機械学習モデルはAIが音楽そのものを「理解」する試みの一つであり、口ずさむ歌から歌を測定することや、歌の練習の手助けなどの場合で期待されています。
ちなみに私はピッチ49%、メロディー42%、ティンバー54%で「フレディー度49%」でした。
写真のジャマモノを排除するサービス “ Magic Eraser”
https://magicstudio.com/ja/magiceraser/
写真に余分なものが写ってしまったせいで、写真が台無しになったことはありませんか。そんな時にMagiceraserが役に立ちます!Magiceraserはaarzooが開発したComputer Vision(コンピュータビジョン)のサービスで、名前の通り「魔法(Magic)」のような「消しゴム(Eraser)」で、写真の中の要らないものを消してくれます。
このサービスの特徴はただ単にものを消すだけでなく、特定の範囲のものを違和感なく消すことができます。さらにオブジェクト中心の写真でしたら、そのオブジェクト以外の背景を消すことができます。
今回は私の結婚式の時の写真を使って、「首」と「ブートニア」を消してみました!
1枚目はオリジナルで、2〜3枚目は首とブートニアの順で消した結果です。
ブートニア(3枚目)は周囲のものや色がある程度統一しているため、本当に違和感なく消すことができました。
首(2枚目)は私が予測した以上の結果です。ただ単にその範囲のものを認識し消すだけでなく、消した後で何を使ってその穴を埋めるのかがポイントです。
首を消すというタスクはつまり、首のところを「別のもの」で埋める、というタスクになります。その「別のもの」を推定するのがAI技術が活躍するところです。
その問題を「集合知識」に聞いてみよう!“Talk to Books”
https://books.google.com/talktobooks/
Talk to BooksはGoogle社が2018年に公開したNLP(自然言語処理)のサービスです。AI技術を用いて、Google Books内の10万冊を超える書籍から文脈で検索することができます。
入力された質問や文章に基づいて、ただ単にキーワードマッチングするのではなく、入力文の文脈や意味を理解する上で膨大な書籍から検索してくれます。
書店の検索機で本の題名で検索することを「本の検索とすれば、「Talk to Books」は「本屋の店員さんに聞く感覚の検索」といえるかもしれません。
Talk to Booksは英語のみの対応となっています。
ハリーポッターのように写真を動かす “Deep Nostalgia”
https://www.myheritage.jp/deep-nostalgia
Deep Nostalgiaは、MyHeritage社が提供するComputer Vision(コンピュータビジョン)のサービスで、AI技術を用いて写真の顔を動かすことができます。入力できる画像は一枚のみですが、その一枚の写真の中にある顔がいかに動くかを推定し、表現するのがこのサービスの特徴です。
仕組みとしてはまず、画像の中の顔を検知し、AIが使いやすくなるように前処理を行います。そして、検知した顔の首と目の向きを判別し、顔の動きを記録した別のビデオの顔とマッチングします。入力された画像の中の顔が提示したビデオの顔と同じ動きをすることになります。
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