システムデザイン

50代エンジニアが考える、10年後にエンジニアとして生き残るために必要なスキル

現在50代で、課長兼・業務アプリケーションエンジニアとしてプレイングマネージャーをしている”かつくん”です。好きな色は青と緑です。
私は数年前まではCOBOLを使ったプロジェクトに従事していましたが、生涯エンジニアとして働きたいと考えていたので、40代後半でJAVAを使った業務に従事しながらスキルアップしてきました。現在はJavaScriptを使ったプロジェクトに参画しています。
スキルアップするためには、机の上で学ぶより、とにかく手を動かして、何かしら動くものを作るというのが私のスタイルです。これからは、AI分野やGoとかKotlinに挑戦してみたいと思っています。
一般的な企業の定年は60歳ですが、今の自分の健康状態を維持できるのであれば、定年後も何らかの形でエンジニアの仕事をしたいと考えています。

2021年現在、コロナ禍でIT業界全体が人手不足のため、今は年齢に関係なくエンジニアの需要が供給に追いついていない状況です。多くのエンジニアが、様々なプロジェクトを経験する機会と、成長するチャンスに恵まれていると思います。このようなIT人材の需要が続くのであれば、エンジニアが定年後も仕事を続けることは難しくないとは思います。

一方、技術の進歩は目覚ましく、ローコード、ノーコードで使えるサービスや、API連携をすることで、エンジニアがいなくてもITサービスを立ち上げられる状況が加速しています。
このように環境が激変している中で、私が定年を迎える10年後にエンジニアはまだ需要があるのか?ということを、経済産業省のレポート「IT人材需給に関する調査(概要)平成31年 4 月」から読み解いてみたいと思います。

■2030年までのIT人材の需給調査結果

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/gaiyou.pdf

上の表は、経済産業省が2019年に発表した「IT人材需給に関する調査(概要)からの抜粋です。IT 人材について、需要の伸びを年平均 2.7%程度、労働生産性が年 0.7%上昇することを前提とし、その需給ギャップを試算したところ、2030年時点で45万人のIT人材が不足するそうです。

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/gaiyou.pdf

この調査の基準となっている労働生産性は、みずほ情報総研が調査した上図のような数値を使っています。これを見ると、2010年代の日本の労働生産性上昇率は他国と比較してとても低いことがわかります。
しかし、今後AIやDXの普及で労働生産性が想定以上に向上することも考えられます。
この調査のただし書きとして、「ただし、年 3.54%の労働生産性上昇を実現した場合には、2030 年時点の IT 人材の需要と供給は均衡することが見込まれる。」と記載されています。
つまり、IT人材は今後も不足するだろうと試算されていますが、労働生産性が向上すれば、10年後も今のように全てのエンジニアが引っ張りダコになっているとは限らないのです。

■30代、40代に伝えたい自分のスキルを考え直す必要性

同調査では、IT人材の全体を以下の図の通り3つに区分しています。
(※1)従来型 IT システムの受託開発、保守・運用サービス等に関する市場を従来型 IT 市場と定義した。
(※2)IoT 及び AI を活用した IT サービスの市場を先端 IT 市場と定義した。

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/gaiyou.pdf

そして、2018 年から 2030 年の期間において、3つの需要と供給について試算しています。
1:IT 人材全体数の需要・供給
2: Re スキルによる従来型 IT 人材及び先端 IT 人材の構成変化
3:AI 人材の需要・供給

1の全体の需要と供給は、先述の通り労働生産性が現状のままであればIT人材は不足すると言われています。しかし、「2:Re スキルによる従来型 IT 人材及び先端 IT 人材の構成変化」について見てみると、興味深いことがわかります。

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/gaiyou.pdf

2015年の市場規模を100とした場合、従来型のIT市場は約半分にまで縮小します。
つまり、先端IT市場(IoT やAI を活用した IT サービス)に関わっていないIT人材の需要は、現場の私たちが考えるより早い速度で無くなっていきます。

需要の変化に対応できないIT人材の需要はどうなるかを予測したのが以下の表です。

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/gaiyou.pdf

いかがでしょうか?2030年時点で、スキルチェンジができていないIT人材は需要がマイナス10万人、つまり従来型のITスキルしかもっていない人材は10万人も余剰してしまうのです。
今最先端の技術が10年後には不要になっているかもしれません。
30代、40代のエンジニアの方々に伝えたいのは、今の自分の技術力に満足せず、日々の学びを止めずに、時流にマッチした技術を身につけて行ってほしいということです。

■AI人材の需要拡大

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/gaiyou.pdf

同調査の「3:AI 人材の需要・供給」の結果が上の表です。AI需要の伸びが少なくとも、上記の通り、人材の不足が予測されています。平均的な需要の伸びでも、12.4万人ものAI人材の不足が予測されています。エム・フィールドでもAIを活用してDXを推進するための人材育成が積極的に行われており、自らキャリアチェンジを志望することもできます。現在JAVAしか使えないエンジニアもPythonはもちろん、AIを活用するために必要な統計や分析の学習を始めているメンバーも多くいます。

■結論:2030年になったら、先端IT人材は不足。従来IT人材は余る


いかがでしょうか? 少数の先端IT人材をのぞいて、多くのエンジニアがスキルアップせずにいる場合、遅くとも10年後には仕事がなくなる可能性があるということがわかりました。DXの推進によって指数関数的に生産性が向上した場合は、もっと環境の変化が早まる可能性は十分にあります。

しかし、(表4)の従来方IT人材と先端IT人材の需要ギャップや、(表5)のAI人材需要ギャップを見ていただくとわかる通り、先端IT人材やAI人材は、2030年時点でも不足していると予測されています。

技術はもちろんですが、技術以外のデータ分析の知識や、お客様を理解するためのビジネス分析の知識を身につけることは、DXの仕事に関わるためには必須です。

人生100年時代!10年後、20年後も大好きなエンジニアを続けられるように、私は、技術はもちろん、それ以外の知識を身につけることで、プラスαの価値創出を念頭においた仕事の仕方を続けていきたいと思います。

エム・フィールドには、AIやDXに携わるプロジェクトがたくさんあります!10年後もただ与えらた仕事をするのではなく、自分で自分の仕事を選びたい方は、ぜひ今から一緒にエム・フィールドで働きましょう!



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ABOUT ME
深松克利
かつくん エンジニアソリューション事業部所属。 基幹システム構築支援を行っております。 スポーツ全般(特にサッカー)は生観戦するのが好きですが、 このコロナ禍の状況では厳しく、ただサッカーのない生活は耐えられないので通常生活に戻るのを心待ちにしています。