*本記事は旧TechblogからCOLORSに統合した記事です。
目次
1 はじめに 1.1 自己紹介 1.2 自身のスキルについて 1.3 SQL・PostgreSQLについて 2 資格説明 2.1 資格の概要 2.2 試験内容 3 勉強内容 3.1 資料 3.1.1 資料についての注意点 3.1.2 OSS教科書 OSS-DB Silver Ver2.0対応 3.1.3 徹底攻略OSS-DB Silver問題集[Ver.2.0]対応 3.1.4 公式サイト 3.2 内容 4 おわりに 4.1 合格結果 4.2 反省 4.3 反省を踏まえたアドバイス 4.4 今後
1 はじめに
1.1 自己紹介
はじめまして。株式会社エイアイ・フィールドのT.Fujiiです。
私立大学で社会学を専攻し、2020年度に新卒として入 社しました。現在は自社サービスの開発サポートに従事しています。
データベースを活用したデータ分析業務をするため、データベースの構築・管理ができる技術者であること証明するOSS-DB Silverの資格を取得しました。IT未経験で入社した私がOSS-DB Silver試験に合格することができたので、試験内容や勉強内容などをお話させていただきます。
1.2 自身のスキルについて
繰り返しにはなりますが、私はIT未経験で入社しました。
大学生時代にレポート作成のためWordやExcelなどOffice製品を使用したことがあるくらいで、OSS-DB Silverはおろかプログラミングの知識もほとんどない状態でした。入社後、4-6月に社外研修でプログラミングの基礎的な知識を勉強し、7-9月は社内で新卒AI研修(SQL、Python、AI実習他)を受講しました。
その結果、OSS-DBの試験勉強の開始時点では、Pythonエンジニア基礎認定試験に合格するだけの知識と、基本的なSQLコマンドの知識を持っていました。
1.3 SQL・PostgreSQLについて
今回合格したOSS-DB SilverはSQL・PostgreSQLについての試験です。
SQLはデータベース言語の1つで、データベース管理システム上でデータやデータベースを制御するための言語です。ユーザーやシステムからの命令を受けてリレーショナルデータベース(関連があるデータ項目の集合体のこと)に問い合わせを行ない、結果を返します。
SQLはデータベース言語として国際標準化機構に規格化されているので、1つのデータベース用のSQLを覚えたら他のリレーショナルデータベースで同じように利用することができます。SQLを使えるデータベースには、Oracle社のOracle DatabaseやMicrosoft社のSQL Server、オープンソースのPostgreSQLなどがあります。PostgreSQLは全てのソースが公開されており、用途を問わず無料で利用できます。
2 資格説明
2.1 資格の概要
OSS-DB Silverを受験するメリットとして、PostgreSQLの知識を深められることが挙げられます。また、運用管理の方法を体系づけて覚えることができます。試験に合格すれば、データベースの構築・管理ができる技術者であることが証明されます。
受験費用は16,500円、出題数は約50問で、認定条件は特にありません。(上位のOSS-DB Gold受験にはOSS-DB Silver保有が必須、Goldを目指している方もSilverから受験することになります)
試験方式はCBT方式なので、好きな日時・会場を選んで試験を受けることができます。
2.2 試験内容
試験の出題範囲は大きく分けて3つあります。①一般知識②運用管理③開発/SQLの3つで、それぞれ16%、52%、32%の割合で出題されます。
①一般知識(16%)
PostgreSQLの歴史やライセンス、RDBMSの基本概念などが出題されます。例えば、OSS-DBのコミュニティやコミュニティの活動内容などが出題されます。
②運用管理(52%)
PostgreSQLのインストール方法からバックアップ方法、運用管理コマンドなど幅広く出題されます。運用管理コマンドの知識だけでなく、バックアップ方法の概念や手順などの知識が問われます。
③開発/SQL(32%)
データベースを構成する際に必要なSQLの知識が必要が出題されます。例えば、データベースの中身を見るためのselect文やデータベースの中身を削除するdelete文などの知識が問われます。
3 勉強内容
3.1 資料
3.1.1 資料についての注意点
勉強資料について、出題範囲など試験のバージョンにご注意ください。
本記事作成時点では、現行バージョンは2.0で、2019年4月1日より改定されています。 改定内容は、①PostgreSQL11にまで対応したこと、②PostgreSQL11で導入された機能にも対応するように、運用管理・開発/SQLの試験範囲が追加されたこと、です。
今後もバージョンアップが考えられるので、資料を参考にする際はご自身の受験されるバージョンとあっているかご確認ください。
3.1.2 OSS教科書 OSS-DB Silver Ver2.0対応 福岡博・笠原辰仁・平山公隆著、満川一彦監修
試験内容に準拠した教材です。教材の特徴として、OSS-DB Silver 試験の出題範囲を網羅しています。①一般知識②運用管理③開発/SQLをそれぞれ細かくを章分けし、章ごとに確認問題があります。公式サイトには「DB初心者から試験合格レベルまで、この1冊でカバー」できるとあります。私は繰り返し確認問題を解いていくことで、理解度のチェックをしました。特に、模擬試験は教科書全体の理解度をチェックするのにとても役立ちました。
3.1.3 徹底攻略OSS-DB Silver問題集[Ver.2.0]対応
問題数が249問あり、1問1問丁寧に解説されています。問題に応じて、文章だけでなく図や表があります。また、試験対策のポイントも随所にあります。正答の解説だけでなく、誤答である理由の解説、正答の周辺知識の解説も記載されています。公式サイトには「合格のための試験対策書」と書かれています。私もこの問題集を解いてみて、解答・解説の部分まで完璧に理解すれば、合格できると感じました。
3.1.4 公式サイト
公式サイトにサンプル問題および解説があります。問題数もかなり多く、運用管理・開発/SQLはそれぞれ100問ほどあります。1か月に1問程度の頻度で問題が追加されています。注意点が1つ、出題形式が本試験と異なります。そのため私は理解度のチェックとして使用していました。
3.2 内容
入社後の研修で、開発/SQLの知識はつけていましたが、運用管理の知識は全くありませんでした。なので、運用管理の部分を中心にOSS教科書を1周することにしました。これに3日ほど費やしました。私は概念を掴みたかったので、実機に触れることはあまりせず、機能の定義や説明を掴むようにしていました。
次に、徹底攻略OSS-DB Silver問題集に2週間ほど費やしました。最初に解いた時は、正答率が5割にも届かなかったので焦りました。正誤に関わらず理解出来ていない問題は解説を読み、わからない言葉は教科書やインターネットで適宜調べました。その結果をGoogleのスプレッドシートにまとめるようにしました。繰り返し問題を解き、間違えた問題にはチェックを入れ、理解度を可視化出来るようにしました。249問全問正解するまで繰り返し解きました。
問題集を最初に解き終わった後、運用管理や開発/SQLのイメージをもっと具体化するために、動画学習も並行して進めることにしました。試験の主催団体が、運用管理・開発/SQLを部分的に解説している動画があります。動画時間が1時間ほどあるので運用管理の細かい部分まで解説されています。
開発/SQLに関しては自社グループのSITC YouTubeチャンネルが役立ちました。SQL入門講座があり、LIMIT・OFFSETの機能について理解することが出来ました。今後、コンテンツがどんどん増えていく予定なので要チェックです!
下記URLがSITC YouTubeチャンネルです!
https://www.youtube.com/channel/UCvj7WyW6pSJ3UxbX7pVfT8w
4 おわりに
4.1 合格結果
2020年11月末に受験しまして、64/100点で合格しました。合格点が64点以上でしたので、ギリギリでした。運用管理・開発/SQLは64%を超える正答率だったのですが、一般知識が思ったほど得点できず足を引っ張りました。
4.2 反省
反省点として、2点あります。①運用管理に関して、実機に触れる機会が少なかったので問題集に載っていない問題に対応が出来なかったこと、②一般知識の暗記があまり出来ていなかったことです。
4.3 反省を踏まえたアドバイス
①運用管理を解説した動画は試験範囲の一部分しかなかったので、動画だけで全体像を把握することは出来ませんでした。
②一般知識はひたすら暗記ですので、試験間近になったら集中的に勉強することをおすすめします。問題集に記載されている情報は少し断片的なので、教科書を繰り返し読み、PostgreSQLの歴史やコミュニティ団体について覚えておくと良いと思いました。
繰り返しにはなりますが、実機に触れることが大切だと痛感しました。特に、運用管理は教科書の内容を実機に触れながら1周することをおすすめします。その方が教科書を読むだけより確実に理解度が上がると思います。教科書や問題集を読むだけでは理解するのに時間がかかってしまうと思います。
4.4 今後
OSS-DB Silverを受験したことで、運用管理の知識を身に着けることができました。また、開発/SQLの知識を増やすこともできました、勉強開始当初は、運用管理の知識が全くなかったので、意味のわからない単語だらけでした。勉強を進めていくうちに概念が理解できるようになり、体系的に知識を身に着けることができました。開発/SQLは、入社後研修の振り返りができたことに加え、SQLの機能を新しく覚えることもできました。
今後は、OSS-DB Silver合格で得た知識を元に、データベースを活用したデータ分析業務にも携わりたいと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。