システムデザイン

4Kの世界に触れてみよう

*本記事は旧TechblogからCOLORSに統合した記事です。

はじめに

昨今、テレビを付ければ聞こえてくる4Kや8Kというキーワード。
「画質がスゴイ!!」というのは皆さんイメージあるかと思います。
しかし、具体的な仕組まであまりご存じない方は多いのではないでしょうか?

皆さまこんにちは。 ES部のM.Sです。
主に金融界隈に在籍していた エンジニアであり、4K初心者であった小職 が
支援することになった放送業界向けサービスのキーワード、4Kについて少々語ってみました。

目次

1.4Kって何?

4Kとはいわゆる解像度の話です。
UHD(Ultra HD[HighDefinition])とも呼ばれています。
画素数でいうと
・4K :3840×2160
・4K以前(2K Full HD):1920×1080
上記のとおり、4Kになって今までの4倍の画素数となりました。

画像で説明すると以下比較の通りです。
(参考として4Kの上位である8Kも併せて図示しています)

4K比較画像_001
4K比較画像_001

具体的なイメージ付けのため、TVサイズの情報を加えると以下の通りです。

4K比較画像_002
4K比較画像_002

2.4Kのメリット

解像度が4Kになること、我々エンジニアに対してはどういうメリットがあるのでしょうか?

結論からいえば、メリットは大きく以下の通りと考えています。
 ・作業効率アップ
 ・作業ミス発生のダウン

解像度が増えること、2K → 4K → 8Kと画素数が増えることで、きめ細かい表現が可能になります。
利用できるキャンバスのサイズが広くなり、詰め込むことの出来る情報がより多くなります。
(※詳細は、後述「 4K・8Kの特徴 」(引用) を参照)

メリットが発生する具体的な場面として、業務で用いる設計書、図面やスケジュールを参照することを想像ください。
もし、個々が小さいサイズであれば良いのですが、規模の大きさや作業対象範囲の広さによっては
何度も画面スクロールが発生するなど、単に見辛いだけではなく、内容把握や編集にあたっても面倒です。

それが、解像度の高く広々と作業できる環境ではどうでしょうか?

目検を駆使する作業にあたっては、画面が大きく利用できることで1度に対処できる絶対的な作業量が増えます。
その効率性のアップと作業ミス発生の低下は、人為的な作業ゆえに揺るぎないものと言えるでしょう。

4K・8Kの特徴
最先端の映像技術により、映像の高精細化だけでなく、次に示す4つの特徴により、従来実現出来なかった色彩豊かでなめらかな表現が可能になります。
これにより、医療、美術等の幅広い分野での利活用も期待できます。

・広色域化
現在のハイビジョン放送に比べ、表現可能な色の範囲が大幅に拡大し、「実際に見える色」に近い表現が可能となります。

・画像の高速表示
現在は、1秒間に30コマ※しか表示していませんが、最大で120コマの表示に高速化できます。
これにより、動きの速いスポーツなども、「ぼやけず」「なめらかに」表示可能となります。
※ 60iの2フィールドを1コマと表現しています。

・多階調
現在のおよそ1,600万階調に対し、およそ10億階調へ拡大します。
これにより、色や明るさの変化がなめらかになり、自然な映像になります。

・輝度
最後に、輝度については、HDR技術により、映像で表現できる明るさの範囲が大幅に拡大し、より現実に近い明るさの表現が可能となります。

参考: 総務省 –  4K放送・8K放送 情報サイト http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/housou_suishin/4k8k_suishin.html

3.4KのTVを買おう!

上述4Kのメリットですが、一般的な観点で言えば、要するにきれいな映像が見られるということになります。
美麗な映像を楽しめるなら、新しい製品へ買い替えたいと思う方もいるかもしれないですね。
そこで、いきなりではありますが、4KのTVに関して少し触れさせていただきたいと思います。

自身が勉強がてらと称して早々にTVを買い替えてしまったとのは1つの理由ですが
映像だけなら4K対応モニタでも良いものの、わかりやすさを求めるならTVが良い
というのが該当業務に従事した所からの判断です。

2019年秋の現状まで、4KのTVをとりまく状況は以下のようになっていたかと思います。

■いい事
  ・2018年12月1日から4K放送が始まっており、TV番組のラインナップが徐々に増えてきている
 ・TVの導入コストが4K放送の開始当初より下がってきている
 ・テレビチューナーなど各種設備のラインナップが増えてきている

■悪い事
 ・4K視聴の方法が難解、TV単独ではなく周辺設備が必要
 ・魅力を堪能するキラーコンテンツが存在しなかった
 ・アナログ ⇒ デジタルの切替の時のような切替の必然性がなかった

では、4Kを導入するタイミングはいつなのかと聞かれると。。。
2019年秋、まさに今が検討シーズンなのではないかと考えています。

私が業務に従事していた2018年末~2019年初頭では、各社4Kに対応した製品が少しずつ出てきたなという状態でした。
それが2019年秋になり、当初限定されていた4Kチューナー内蔵付TVを含むラインナップが数多く増えました。
その結果、選択の幅が広がったといえます。

4Kチューナー内蔵付TV は、4K視聴に対する導入ハードルも軽減してくれます。
大いに検討の余地が増えたのではないでしょうか。

2019/09/23現在、 4Kチューナー内蔵付TVの価格帯は10万円~20万円辺りが圧倒的に多いですが
10万円を割る価格から、100万超のハイエンドな商品まで行き渡っています。
今後のオリンピックを迎え、ラインナップも更なる活性化が見込まれます。

4.まとめ

次世代映像規格である4K、その解像度を軸に主に述べて参りました。
細かい話をすれば、信号方式、圧縮技術など 色々な話に発展しますが、今回の話はここまでとします。
興味がありましたら、まずは4K映像をご覧いただければと思います。

尚、今後の技術キーワードとしては成長過程とも言える4Kですが
時を同じくして聞こえてくるキーワード、次世代通信規格である5Gに関しても
少し触れて話の締めとします。

次世代映像規格の4Kは、既存映像規格から大幅な情報量の拡大によって成り立っていますが
4Kを利用するサービスの通信性において、高速性・大容量化が求められることは必至です。

そのため、サービスの基幹ともいえる通信インフラの重要性を理解することが大事ですが
映像分野に限らずとも、昨今で大容量化が求められているご時世にて
上述通信基盤の活用にあたって理解があると望ましいですね。

アプリ開発中心であった私にもすごく関心ごとではありますが、こちらは別観点となるので、また別の機会に。
それではまた。