AMBLの日々

OJTで学んだこと~新人とトレーナーの成長~

*本記事は旧TechblogからCOLORSに統合した記事です。

はじめに

こんにちは。
2018年度に新卒として入社しました
エンジニアリングソリューション事業部のM・Sです。

私は理系学部卒ですが、プログラミング経験はほとんどない状態で入社しました。
そんな中、約1年間のOJTにて指導を受け
なんとその翌年からサブトレーナー(指導する側)としてOJTに携わることができております。
OJTを受ける側(トレーニー)、指導する側(トレーナー)、
どちらの経験からも学ぶことは多く、現在も日々勉強中です。

当記事では、弊社ではどういったOJTが行われているのか
以下3名の方にもご協力頂き
それぞれの方のOJT体験と、そこから学んだことをご紹介しようと思います。
・先輩社員のFさん
・新卒社員のYさん
・先輩社員のMさん

目次

1.OJTについて
2.OJTトレーナーが学んだこと(先輩社員のFさん)
 ・2.1.トレーナーとしての役割と目的
 ・2.2.意識しておくこと
3.OJTトレーニーが学んだこと(新卒社員のYさん)
 ・3.1.いつ、何をするのか
 ・3.2.質問
 ・3.3.自分で学ぶこと
4.OJT体験記(先輩社員のMさん)
5.まとめ

1.OJTについて

OJTとは正式名称「On the Job Training」であり、職場における実務を通して成長を促す教育制度の事です。

弊社では、新卒社員1人につき、トレーナーとサブトレーナーの計2名がつき、OJTを実施しています。
OJTを効率的に行うため、この2名は外部講師を招いたOJTトレーナー研修に参加します。

この研修ではトレーナーとして意識することや、教え方について3日間かけてしっかりと身に付けていきます。
これによりOJTの質を底上げし、受ける側の能力向上や、トレーナーの教育に対する能力を身に付けることができます。

■目的

OJTは、トレーナー、トレーニーそれぞれの以下の目的があると考えます。

【トレーナー】
 ティーチングやコーチングを駆使して、仕事の取り組み方、報連相や、PDCAサイクルの回し方を教えて、
 「一人称」で動けるよう導いていく。

 同時に、「調整力(巻き込み力)」の発揮も必要です。

 マンツーマンに固執せず、周囲のリソースを最大限に活かし、
 チーム全体の協力体制を整えるように働きかける必要があると思います。

【トレーニー】
 「自主性」、「主体性」を身に付ける。

 トレーナーからの指示を受け実施するだけでなく、その作業の意図を自分なりに考え、
 「やらされている感」を無くし、「やっている感」を意識する事が重要だと思います。

2.OJTトレーナーが学んだこと(先輩社員のFさん)

では、実際にトレーナーはどのような点を意識すれば良いのでしょうか?
初めにOJTトレーナーを経験している、先輩社員のFさんにお話しを伺いましょう。

2017年1月に中途入社したFです。
2018年度にOJTトレーナーを経験し、2019年度もトレーナーをしています。
ここでは私がトレーナーとして経験したことや意識したことを記載したいと思います。

2.1.トレーナーとしての役割と目的

トレーナーは新卒社員に対して実業務を通じて指導する上で、
仕事の進め方、業務スキルや業界知識、コミュニケーション能力の向上を求められると思います。
そのための指導方法として報連相の重要性や、タスク管理能力、質問力の向上など内容は様々です。

最終的には新卒社員が社会人としての自信や責任感を持ち、その根拠となる能力が身に付いていることが最も大事ですが、
トレーナー自身もOJTを通じて指導能力や管理能力が向上できることが望ましいと思います。

2.2.意識しておくこと

次に私が実際にトレーナーを経験し、意識した方が良いと感じたことを記載します。

特に重要だと思ったのが、こちらから「言う」だけの一方向ではなく、
相手からも「聴く」という双方向を意識すると良いと思いました。

困ったり分からなかったら質問するように言って作業を指示しても、質問できない新卒社員は多いです。
これは、どう質問して良いのか分からない、考えがまとまらないなどで抱え込んでしまっています。
そのままだと何を目的にしているのか、何をすれば良いのかを漠然としたまま
作業を進めてしまい間違った方向に行ってしまいます。

ですので、指示した後にこちらから指示した内容を理解できているか、相手から聴くことが重要です。
会話することで新卒社員は自分が何を分かっていないかを理解し、こちらも明確に指示できるようになります。
そのなかで質問するべきことや、考え方などを理解することで指示に対する理解度が深まると思います。


また、ある程度慣れてきて質問できてくるようになったら、質問に答えるだけでなく、
どうするべきなのかを考えさせるのも良いです。
こうすることで思考能力が向上し、自分の意見を相手に伝える能力も備わります。

3.OJTトレーニーが学んだこと( 新卒社員のYさん )

一方でトレーニー側はどう感じているのでしょうか?
続いては新卒社員のYさんに、OJT真っ只中の立場として現場で感じたことを紹介してもらいましょう。

2019年度に新卒として入社したYです。
私は文系IT未経験であり、入社後の3ヶ月間の研修でプログラミング等を学びました。
その後、現場に配属され、先輩方に教えて頂きながら日々学んでいます。

OJTを受けたことがある皆様は、ぜひご自身の経験を振り返りながらご覧ください。
あるいは偶然弊社のサイトに行きついた、今後就職活動を控える学生の皆さんにおいては、
”新卒社員は何をするのか?”という疑問を払拭する手助けになれば幸いです。

3.1.いつ、何をするか

当たり前ですが、配属された新卒社員は現場のことが何も分かりません。
そのため、先輩から仕事が振られます。
振られる仕事内容は様々ですが、時には自分がやろうとしていたもの、
締め切りがあるもの、他の人に頼まれていたものが同時に押し寄せます。

その際は、その仕事の緊急度、かかる時間などで判断しています。
例えば、やることが一息つき、その際に学んだことを復習したいが別の仕事を頼まれた場合。
頼まれた仕事はすぐに取り掛かりたいものの、復習も大切であるため学んだことを軽くメモしておき、
空き時間に一気に復習するなどして状況をみつつ、取捨選択が必要だと学びました。

3.2.質問

仕事を進めるにあたり、分からないことが出てきます。
配属されたばかりの頃は、”後で自分で調べる事”と”人に聞いた方がいい事”のラインが分かりませんでした。

しかし、用語などは自分で調べた方が記憶に残りやすいと思います。
また、先輩からのアドバイスで、”自分で調べて5分経過しても分からなければ、人に聞く”というマイルールを定めると良いと聞きました。
実践するようになってからは、以前よりどうすれば良いのかを迷うことが少なくなりました。

3.3.自分で学ぶこと

私は文系IT未経験で入社したため、分からないことがとても多いです。
仕事を振られても、そもそものショートカットキーやExcel操作で躓きます。
そのため、現場で振られた仕事をこなすだけでなく、
ブラインドタッチや研修内容の復習など自宅でも出来る事は補っていく必要があると感じます。
現在は、Javaの資格学習を進めています。

今後もOJTの中で、自分が出来る事が少しずつ増えるように精進します。

OJTの様子

4.OJT体験記(先輩社員のMさん)

最後に先輩社員のMさんが新人の時OJTを通して学んだ、
OJTの目的と業務スキルのキャッチアップ方法について紹介してもらいたいと思います。

2017年7月に中途入社したMです。
前社でOJTトレーナーを経験し、中途入社後の2018年度にOJTサブトレーナーを努めました。
私がOJTトレーニー・トレーナーを通じて学んだ事、感じた事をお伝えしたいと思います。

■配属

私が新人の時、最初に配属されたプロジェクトは、配属時に詳細設計フェーズに差し掛かっており、
最初に任された仕事は、試験で使うツール作成でした。

■業務スキル取得

OJTを通して、仕事の取り組み方や、業務スキルを身に付けるには、「小さなプロジェクト経験」が効果的だと感じました。
以下の経験が、今も仕事をする上での礎となっています!

①スケジュール管理

試験ツール作成の進め方については、最小限の機能要求と大枠のスケジュールだけが提示され、
自分で「スケジュール調整」して、開発を行うスタイルでした。(いきなりハードルが高いなぁと感じました笑)

最初に指示いただいた作業は、ツール作成に必要だと思う作業の洗い出しを行う事でした。
洗い出した作業を報告した時に、各作業の具体的に必要な手順等を聞かれ、その場で答えられない事がありました。
再考して、必要な手順を纏め報告し、なんとかスケジュールを立てる事が出来ました。

具体的な作業内容に落としこむ事で、「作業工数」の見積もり、
スケジュール(WBS)を立てる方法について学びました!

②調査

次に実施した事は、具体的な作業の調査を行いました。

このサービスは、「HTTP」を使用していた為、HTTPの基本を調べ、自身のナレッジとして資料化しました。
調べた結果をOJTトレーナーを含むチーム全体に報告して、フィードバックいただき、誤識齟齬が無いよう進めました。

この時、フィードバックで指摘をいただき、途中経過を報告する事の重要性を学びました。
後になればなるほど、認識齟齬があると手戻りが多くなってしまうので、都度確認する事が大事です!

③要件定義

ツール作成に必要な調査を終えた後は、機能の選定を実施しました。
試験パターンや、試験バリエーションを何度かヒアリングし、必要な機能を纏める事が出来ました。

要件・機能整理する際、認識相違が多々あり(自身の認識不足がほとんどですが。。)、
思い込みせず、要件・機能に対し質問・確認を取る事は、とても大切です!

設計以降では、具体的な設計・実装技術を教えていただきました。
設計は、分かりやすい言葉(伝えやすい言葉)で、「第三者目線(視点)」を意識する事が大事だと学びました。

OJTの様子

5.まとめ

今回の記事作成で先輩社員、新卒社員の話を聞く中で、
トレーナー、トレーニーのどちらも「能動的」であることが大切だと感じました。

トレーナーは「トレーニーの理解度」に対して、相手からのアクションを待つのではなく 、
トレーナーから理解度の確認を行うようにすることで、
トレーニーのレベルに合わせた指導をすることが出来ると思いました。

トレーニーは「トレーナーの指示」に対して、言われたままに実行するのではなく
作業の意味、作業中に生まれた疑問などを自分で考え、調べ理解しようとすること
考える習慣が身につき効率的に成長が出来ると思いました。

これらの事を意識してOJTに取り組むことで、大きく成長できると思います。
是非実践してみてください。

ご協力頂いた方々、ありがとうございました!