DX

DXのリテラシーを証明する「DX検定™ 」合格のポイント


mfield Companyのニッカムさんです。普段は 大手通信会社のお客様と一緒に、スマホ向けサービスの企画や運営をしています。好きな色はネイビーです。
2022年1月に開催されたDX検定™ を受験し、767点でDXエキスパート認定を取得したので、この記事ではDX検定™ の受験に役立ったポイントをお伝えしたいと思います。

1. DX 検定™ とは 

DX検定™(ITBT(R)検定)は、日本イノベーション融合学会ITBT検定委員会が主体となり、2018年に創設された資格です。

これからの社会の発展・ビジネス全般に必要な、デジタル技術によるビジネスへの利活を 進める人財のために、毎日爆発的に増加するバズワードを確かな知識にする、先端IT技術 トレンドとビジネストレンドを幅広く問う知識検定

DX検定™(ITBT(R)検定)とは?

上記の通り、ITの先端技術とビジネストレンドの両方の理解度が必要です。
受験のための資格はなく、学生の方でも受験することができます。


DX検定™の試験概要
DX検定™は、Web試験のため自宅でも受験することができます。
60分で「ITトレンド」と「ビジネストレンド(BT)」の分野で合計120問、MAXスコア1,000の多肢選択式の試験です。
私が受験したのは、2022年1月に開催された第8回で、次回は2022年7月に9回目が開催される予定です。次回以降の日程は、日本イノベーション融合学会ITBT検定委員でご確認ください。


2. DX検定™ のスコア別レベルと合格者割合 

DX検定™は、スコア1,000がMAXで、スコア600以上でスコアに応じてレベル認定証が発行されます。

スコア800以上「DXプロフェッショナル レベル」第8回(4.1%)、累計(3.0%)
スコア700以上「DXエキスパート レベル」第8回(13.2%)、累計(11.1%)
スコア600以上「DXスタンダード レベル」第8回(27.2%)、累計(22.6%)
未達第8回(55.5%)、累計(63.4%)


2022年3月に発表された第8回『DX検定™』検定結果と検定概要についてによると、平均スコアは573(ITスコア283/ BTスコア 290) でした。
スコア600以上の割合は半数以下で、スコア800以上のプロフェショナルレベルは、第8回目の開催でも認定者数は受験者全体の5%以下と、難易度が高めの資格であると言えるでしょう。

 

・DX推進人材像と比較したDX検定™での推奨レベル
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が定義するDX推進人材像とDX検定™のスコアを比較すると以下のように定義されています。

出典:日本イノベーション融合学会ITBT検定委員会


3. DX検定™のサンプル問題


DX検定™の具体的な出題範囲を見てみましょう。

■ITトレンド(先端IT技術トレンド)
大分類としてあげられている項目をご紹介します。
・ロボットとスマトマシーン
・AIとソフトウェア
・IoTとハードウェア
・ビッグデータとデータサイエンス
・クラウドとIT開発/運用
・サイバーセキュリティとネットワーク


■ビジネストレンド
大分類としてあげられている項目をご紹介します。
・次世代ビジネストレンド
・戦略・理論(経営を革新させるIT)
・農業(仕組みとしてのIT)
・商品(商品としてのIT)
・サービス(サービスとしてのIT)
・IT機器(道具としてのIT)

出典:出題分野・シラバス(こちらからさらに詳細な項目がPDFでダウンロードできます)


一見しただけで、大変幅広い出題範囲であることがお分かりいただけると思います。
IT関連の仕事をしている方であれば、ITだけでも相当広い分野の知識が必要であると驚かれる方も多いのではないでしょうか?

日本イノベーション融合学会ITBT検定委員会のサイトに掲載されているサンプル問題の一部をご紹介します。


以下は、次世代通信規格「5G(第5世代)」の機能についての記述である。 世界最大の家電・技術見本市「CES」(2019年1月)で、米ベライゾン社のハンス・ベストベリ最高経営責任者(CEO)が、 「5G(第5世代)」と従来の携帯網との決定的な違いとして挙げた8点のうちの4点である。 この記述の中の正しくないものを選びなさい。

1)毎秒100メガバイトを超える「最高速度」
2)時速500キロの移動に耐える「モビリティー」
3)1キロ四方で100万個の端末を接続する「コネクション」
4)5ミリ秒という「超低遅延」

出典:正解は、日本イノベーション融合学会ITBT検定をご覧ください。


このようにIT系の問題に加えて、以下のような農業に関するビジネスの問題も出題されます。

ゲノム編集とは、人工的に合成した酵素で生命の設計図であるDNAを切断し任意の新たなDNAを作成する技術で、 農林水産業や医療にブレークスルーをもたらすと期待されている。
特定の配列を断片として与えて切断部に挿入(ノックイン)し、 DNA切断を繰り返して特定の遺伝子の機能を止めるノックアウトができる。 ゲノム上の任意の場所の塩基配列を効率的に編集できるようになったことから 広く使われるようになった核酸分解酵素(ヌクレアーゼ)を用いた技術を何というか。

1) CRISPR/Cas9(クリスパーキャスナイン)
2)Biology
3)遺伝子組み換え
4)ノックイン・ノックアウト

出典:正解は、日本イノベーション融合学会ITBT検定をご覧ください。


4. 筆者のバックグラウンドと受験した感想


・自前の知識だけではだいぶ足りなかった・・・
私は、普段から仕事で関わっているサービスで音声認識やAWSを使っていますし、AIや5Gなどは弊社が得意とする技術領域なので、そこそこ知識はある方だと考えていました。
特にAIに関しては「G検定」というディープラーニングを事業に活かすための知識を確認する資格を昨年取得したこともあって、一部の出題範囲についてはそれなりの予備知識がある状態で学習をスタートしました。
しかし、それでも普段の業務知識だけではDX検定™ を取得するには、だいぶ知識が足りなかったように思います。

・どんな人でもチャレンジしやすい
今回DX 検定™にチャレンジしてみて、普段の業務内容でDX検定の出題範囲を全てカバーできる人は少ないのではないか?と感じました。私も自分の知識がとても限定的な領域の知識だったということを、あらためて思い知らされたように思います。
一方で、DX検定™は知識が問われる試験で、技術力と直接結びつくものではないようにも思います。言い方を変えれば、IT業界経験が浅い人でも、有利不利があまり出ない試験でもあると感じました。
出題範囲に沿った知識を広く理解できるようにしっかりと準備する必要はあると思いますが、誰でも高得点を狙うことが可能だと思います。

・新しい会話についていくきっかけになる
DX検定™の学習をすると、色々な分野で広範囲のトレンドを学ぶことになります。専門外と思っていた分野でも、理解できるようになる会話が増えると思います。DX検定™に限りませんが、知識を得ることは共通言語を得ることでもあります。課題解決に必要な情報が多様化している今の時代、会話のきっかけが多いに越したことはありません。DX検定™の学習で得た知識をきっかけに、新しい分野に飛び込むことができたなんてことも起こるのではないでしょうか。

5. DX検定™ 受験までのスケジューリングと勉強方法



私の場合は、DX検定™ 準拠教材である「DX Study™ 2022 eラーニング」を軸に学習することにしていたので、試験3ヶ月前からゆるやかに準備を始めました。

3ヶ月前
eラーニングに申し込んで、学習開始できる状態を整えた頃です。利用可能期間が3ヶ月のeラーニングだったので、試験日までは使い続けたい意図でこの頃に申し込みました。まだ本腰を入れた学習ではなく、たまにeラーニングの問題を解きながら、出題内容の雰囲気など、感覚的なところを少しずつ捉えようとし始めた時期でした。
学習に利用したeラーニングや書籍は、まとめて後述します。

2ヶ月前
本腰を入れて準備を始めたのはこの頃だと思います。eラーニングを繰り返し解きながら、問題・正答・解説を確認していきました。eラーニング上の試験は1回60問出題されるものでしたが、問題の種類としては全部で300問程あったように思います。この300問については、全問即答できるような状態を目指しました。ITトレンドとビジネストレンドがバランスよく出題される学習ツールだったので、どちらの分野も同じくらいの割合で学習を進めていたように思います。

・1ヶ月前~直前
全問即答できるような状態を目指して追い込んでいた時期です。eラーニングの一言一句を頭に入れようとしたわけではなく、解く回数とスピードを上げて何度もこなして覚えていきました。また、eラーニングに出題される内容よりさらに最新のネタをまとめて確認できることを期待して、世界の最新技術をまとめた書籍で補完を試みた時期でもあります。

・直前(1週間前くらい)
eラーニングについては予定どおり全問即答できるくらいになっていたので、最後の仕上げとして、公式サイトに掲載されているシラバス掲載キーワードで、まだ理解できていない言葉を学習しました。

・試験を終えてみて
eラーニングで学習したからこそ解けた問題も多かったので、eラーニングを中心にした学習は高い効果が出たように感じます。しかし、シラバス掲載キーワードの学習については、もっと早く着手して理解を深めておくべきでした。
実際のDX事例についても多く出題されましたが、事例から正答を導くにはキーワードを知っているだけでは対応しづらく、普段からどれだけアンテナを張って情報収集しているかが重要になると感じました。

6. DX検定™ 受験に役に立った参考書やサイト



・DX検定™の公式ページで紹介されている学習方法
DX検定™の公式ページに、シラバス掲載キーワードを調べること・eラーニング・推薦図書が掲載されています。このページを確認した上で、自分なりの進め方をイメージすることから始めるのがよいように思います。

・私が利用したeラーニングシステム

DX検定™ 準拠教材である「DX Study™ 2022 eラーニング」を利用しました。実際の試験で使われている内容も多くあり、これを軸に学習しておいてよかったと感じます。

・「図解コレ1枚でわかる最新ITトレンド新装改訂3版
斉藤昌義 著 (技術評論社)2020年2月発刊
DX検定の推薦図書として公式ページに掲載されており、eラーニングの解説の中でもこの本を参考とする記述をよく見たように思います。

・「日経テクノロジー展望2022 世界を変える100の技術
eラーニングで出題される内容よりも最新のネタを補完するために使いました。色々な分野の最新技術が掲載されていて、実際出題内容と同じネタも含まれているので補完の方向性には合っていたように思います。


まとめ

私が3ヶ月の勉強期間を経て受験した感想としては、DX検定™が気になっている方は、是非一度チャレンジしてみるのがよいと思います。自分の知識レベルを知れるだけでも、その後の学び方や、取り組み方に活かせると思います。
しっかりと学習すれば認定レベルにも十分到達できる試験です。

エキスパートレベル以上に認定されると、名刺に認定レベルを掲載することも可能になるので、頻繁に名刺交換をする方であれば、アピールや話のタネにも使えるかもしれません。
私自身も、次はプロフェッショナルレベル認定がとれるように継続して学びたいと思っています。

この記事が、DX検定™が気になっている方にとっての一助となれば幸いです。



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ABOUT ME
ニッカムさん
2012年入社のWebアプリケーションエンジニア。企画にも開発にもデザインにも口を挟みながら日々を過ごしています。DX検定やG検定のようなこれから注目されそうな資格を取得しがちな二人の子持ちの30代。