■はじめに
こんにちは、エム・フィールドのMS事業部の來間政人です。好きな色は、青です。ドラえもんの世界を実現させようと日々奮闘しているITコンサルタントです。趣味はサウナ・ビール・サーフィン。
日々の疲れはサウナとビールで解消、ストレスはサーフィンで解消して、毎日楽しく仕事をしています。
今回、なぜ空飛ぶクルマの記事を書いたのか理由は単純明快。「ロマン」です。
私がコンソーシアムの一員として参画している国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(通称:NEDO)の「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト/空飛ぶクルマの先導調査研究」をもとに、空飛ぶクルマの研究の最新情報を詳しくご紹介します。空飛ぶクルマには地道にコツコツと解決しなければならないさまざまな課題があります。過程を知ってもらえたら、よりクルマが空を飛ぶ未来にロマンを感じていただけると思います。
目次: 1:プロジェクト概要 2: 事業目的・概要 3: 調査項目の詳細 3-1. 海外における空飛ぶクルマの実証事例調査 3-2. 空飛ぶクルマに関するオペレーション体制・事業モデル調査 3-3. 空飛ぶクルマの社会実装に向けた要素技術調査 3-4. 空飛ぶクルマに関する海外制度及び国際標準化の動向調査 4: 空飛ぶクルマの社会実装に向けた要素技術調査 4-1. 近況の調査報告 4-2. 今後のロードマップ 4-3. 実証実現に向けた 5: まとめ |
1:プロジェクト概要
https://www.nedo.go.jp/introducing/
まず最初に、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(通称:NEDO)についてご紹介します。NEDOは、1970年代に世界を襲った二度のオイルショックを背景に、1974年に新エネルギー技術研究開発についての長期計画「サンシャイン計画」を策定したところから始まり、新たなエネルギー開発の先導役として1980年に発足しました。
「エネルギー・地球環境問題の解決」と、「産業技術力の強化」をミッションとし、経済産業行政の一翼を担う日本最大級の公的技術開発の機関として、企業、大学、公的研究機関の英知を結集して、技術開発と実証に取り組んでいます。現在は、「技術開発マネジメントによる成果の社会実装」、「研究開発型ベンチャーの育成」、「中長期技術開発の方向性提示」の3つの柱を元に、さまざまなプロジェクトを展開しています。
今回ご紹介する「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト/空飛ぶクルマの先導調査研究」は、2021年度から新たに「空飛ぶクルマの先導調査研究」を追加し、以下で紹介する4つの調査を実施しています。
2025年頃までの飛行に向けた実証のための課題整理、実証計画の作成、2025年以降の自動・自律飛行、高密度運航の実現に向けた要素技術の抽出と具体的な検証項目、ルール動向の調査、整理、つまり膨大な下準備を行っている真っ最中です。
2: 事業目的・概要
空飛ぶクルマが、なぜSFやロマンではなく、国の公的な機関で研究されているのかというと、今後の社会に不可欠となる「省エネルギー」を実現するという事業目的があるからです。
1.物流やインフラ点検分野等の省エネルギー化の実現に向けて、小口輸送や点検作業を行うロボット・ドローンの活躍が期待されています。
2.そのため本事業では、物流やインフラ点検等の分野で活用できるロボット・ドローンの社会実装を世界に先駆けて進めるため、分野に応じて求められる機体性能の評価手法や運行管理と衝突回避の技術開発を行います。
3.開発されたロボット・ドローン技術やシステムの今後の国際標準化に向けた取組を併せて実施することで、世界の省エネに貢献するとともに、我が国発の省エネ製品・システムの市場創造・拡大を実現します。
4.また、ドローンが大型化し人が乗ることが可能ないわゆる「空飛ぶクルマ」を活用した社会の実現に向け、離着陸時等の安全性と効率性を実現する運行技術の開発及び落下時の安全システム等の開発に向け、先導調査研究を行います。
3: 調査項目の詳細
実用化に向けたさまざまな下準備の中で、私が実際に担当している項目もふくまれる4つの調査についてご紹介します。
3-1.海外における空飛ぶクルマの実証事例調査
上のYouTubeは、2021年7月にスロバキアで実施されたテスト飛行のニュースです。
一見飛行機に見える機体に、人が乗った状態で高度2,500mを最高時速190キロで飛行し、70km先の目的地まで35分で到着しました。目的地に着くと約3分で翼を折りたたみ、通常の車と変わらないフォームになって、公道を走ることができます。
3-2. 空飛ぶクルマに関するオペレーション体制・事業モデル調査
「空飛ぶクルマ」実用化へ工程表 2030年代に無人運転
こちらの動画で紹介されているように、2030年代に無人運転で実用化するために、具体的な工程を作成中です。
2023年ごろには、離島の荷物輸送や、観光地の遊覧飛行
2025年ごろには、山間部、都市部の荷物輸送、旅客輸送
2030年ごろには、自動・無人飛行、自家用
というのが現在の大まかな方針です。
このタイムスケジュールを具現化するために、空飛ぶクルマの社会実証に向けた具体的な実証地やオペレーション体制、事業モデルについて調査研究をしています。
2025年に開催される大阪・関西万博で関西空港から万博会場までの少人数の旅客輸送を行うという案もあり、実証実験の候補地選定などが急がれます。
3-3. 空飛ぶクルマの社会実装に向けた要素技術調査
私はこの実験に参画しているので、次の章で詳しく説明します。
3-4. 空飛ぶクルマに関する海外制度及び国際標準化の動向調査
空飛ぶクルマに関する最新の国際的な制度や海外制度、国際的標準化の動向の調査と整理を行っています。これから、このような海外の制度を調査する予定です。
・NASA AAM National Campaign(米)
https://www.nasa.gov/aamnationalcampaign
・Paris Pontoise airfield(仏)
https://www.parisaeroport.fr/en/professionals/business-aviation/presentation-of-the-general-aviation-aerodromes
・UAM initiative(欧)
https://smart-cities-marketplace.ec.europa.eu/action-clusters-and-initiatives/action-clusters/sustainable-urban-mobility/urban-air-mobility-uam
4: 空飛ぶクルマの社会実装に向けた要素技術調査
私は、「 空飛ぶクルマの社会実装に向けた要素技術調査」を担当しています。空飛ぶクルマは、無人で自動操縦を実現しなくてはならないので、その根幹となる通信技術の品質を調査しています。
4-1. 近況の調査報告
まず、海上、地上、山林の各地点において上空(150m以上)へドローン+通信端末を飛行させ、スピードテストアプリおよびSigma-ML※にて、実証高度における通信の品質・強度を測定する予定です。
※Sigma-ML=Androidスマートフォンを使用して携帯ネットワーク基地局の品質を測定するアプリケーション
4-2. 今後のロードマップ
今年度までに上記のように、高度や速度、地形別、混雑度合いなどによる、通信への影響を調査し、安心・安全な自動運転を実現するために最適な通信環境を調査していきます。
5: まとめ
いかがだったでしょうか。あれ?もうクルマを空に飛ばすんじゃないの?というイメージを持った方もいたと思いますが法的観点、技術観点等、インフラの課題を徹底的に解決しないとクルマのような大きなモノを飛ばせませんので、まずは「土台作り」に全力を尽くしているのが現状です。
上記を無視したら事故が起きて大変なことになりますから!
実現はそうですね、個人的には後10年~20年はかかると見込んでいます。恐らく私の子供、もしくは孫の世代になると当たり前のように空飛ぶクルマが新しい交通インフラとなっているでしょう。私自信、次の世代へしっかりとLegacyを残せるよう結果を出していきたいと思います。
■「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト/空飛ぶクルマの先導調査研究」(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (2021/8/11)
https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100266.html
■ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト
https://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2021/pr/en/sangi_taka_07.pdf
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